「イランの攻撃で相場が急落…積立、このまま続けていいのかな」
2月末からの相場を見て、こう感じた人は多いのではないでしょうか。
2026年2月28日に米・イスラエルによるイラン攻撃が始まり、3月4日の日経平均は一時2,600円以上の下落。
原油価格は一時1バレル100ドルを超え、株安・円安・債券安が同時に起きる「トリプル安」という言葉まで飛び交いました。
こんな局面で頭に浮かぶのが「今すぐ積立を止めるべきか?」という疑問です。
この記事では、
地政学リスクによる急落局面で個人投資家がどう動くべきか
投資歴8年・準富裕層目前まできた会社員投資家が実践している考え方と具体的な対処法を解説します。
この記事でわかること
- 地政学リスクが相場に与える影響の構造
- 積立を止めるべきか続けるべきかの判断軸
- 荒れ相場で個人投資家が取るべき3つの行動
地政学リスクによる急落は「企業価値の下落」ではない
まず大前提として理解しておきたいことがあります。
今回のイラン情勢による下落は、
「企業の業績や価値が悪化したから」ではなく「リスク回避の売りが集中したから」です。
この2つは全く異なります。
企業の実態価値が下がっていないのに、投資家の恐怖心や機関投資家の換金売りによって株価が下がっている状態——これを理解しているかどうかで、同じ含み損を見たときのメンタルがまるで変わります。
地政学リスクが相場を動かす仕組み
地政学リスクが高まると、以下のルートで株価に影響が出ます。
| 影響ルート | 内容 |
|---|---|
| リスク回避の売り | 不安から株を売り、現金や金に逃げる動きが加速 |
| 原油価格の上昇 | 中東リスクで供給不安→エネルギーコスト増→企業収益圧迫の懸念 |
| 円高圧力 | 有事のドル買い・円買いで輸出企業の業績見通しが悪化 |
| 機関投資家の換金売り | ファンドの解約対応などで優良株も売られる |
今回のイラン情勢では、ホルムズ海峡の封鎖リスクが意識されたことで原油価格が急騰し、エネルギー輸入を中東に依存する日本への影響が特に懸念されました。
ただし重要なのは、
これらの多くは「将来への懸念」であって、今この瞬間の企業価値の変化ではないということです。
3月の相場が荒れやすいもう一つの理由
実は今回の下落、イラン情勢だけが原因ではありません。
3月はもともと、
機関投資家のリバランス売りが出やすい構造的に不安定な時期です。
日本では3月末が多くの機関投資家の決算期にあたります。
「株の比率が増えすぎた分を売ってポートフォリオを整える」という調整が機械的に行われるため、ファンダメンタルズとは無関係な売り圧力がかかります。
日本の相場格言「節分天井、彼岸底」は、まさにこの構造を表しています。
つまり今の相場は、
- イラン情勢による地政学リスク(突発要因)
- 3月特有の機関投資家のリバランス売り(季節的要因)
この2つが重なっている状態です。
機関投資家の季節的な動きについては、以前「投資カレンダー」として12ヶ月分まとめた記事詳しく解説しています。
3月〜4月の動きを把握しておくと、今の相場が少し落ち着いて見えるはずです。
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荒れ相場で個人投資家がやること・やらないこと
ここからが本題です。
8年間の投資経験で学んだ、荒れ相場での実践的な対処法を整理します。
やらないこと①:シナリオ予測に時間を使う
「長期化したら原油がいくらまで上がるか」「停戦合意が来週出るか」——こういった予測をいくら考えても、判断の精度は上がりません。
FRBの内部ですら意見が割れている局面で個人投資家がマクロ予測を当て続けることはほぼ不可能です。
むしろ予測しようとすることで感情が揺さぶられ、衝動的な行動につながります。
荒れ相場では「何をするか」より「何をしないかを決める」ことのほうが長期的なリターンに貢献します。
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やらないこと②:感情が動いている状態で積立設定を変える
「こんな相場が続くなら一旦止めよう」という衝動が生まれるのは自然なことです。
ただし、
感情が動いているときに積立設定を変えるのは最も避けるべき行動の一つ。
過去の暴落局面(コロナショック・ウクライナ侵攻など)で積立を止めた人の多くは、底値付近で売ってその後の回復を取り逃がしています。
設定変更を考えた場合は、「3日後にもそう思うなら変える」というルールを持っておくと衝動的な判断を防げます。
やること①:下落の「種類」を見極める
含み損が増えたとき、まず確認すべきは「これは何による下落か」です。
- 企業・経済の実態が悪化している下落:慎重な判断が必要
- 需給・感情・地政学リスクによる下落:長期投資家には関係が薄い
今回のイラン情勢による下落は後者です。
積立投資を長期で続けている場合、投資先の企業や指数の本質的な価値は変わっていません。
やること②:個人投資家の「強み」を意識する
機関投資家には絶対に真似できないことがあります。それは「何もしない選択ができる」こと。
機関投資家はルール上、下落がわかっていても売らなければならない局面があります。
一方、個人投資家は現金を持ったまま嵐が過ぎるのを待てる。大口が投げ売りしたところを冷静に拾いにいくこともできる。
この「待てる」「休める」という柔軟性こそ、個人投資家が長期で資産を積み上げられる最大の理由の一つです。
やること③:過去の地政学リスクと相場の関係を確認する
感情が揺れているときに最も効くのは、
データと歴史の確認です。
過去の主な地政学リスク発生時の相場を振り返ると、短期的には大きく下落するものの、その後回復しているケースがほとんどです。
| 出来事 | 発生時の急落 | その後の動き |
|---|---|---|
| 湾岸戦争(1990年) | 日経▲30%超 | 1〜2年で回復基調 |
| 9.11テロ(2001年) | NYダウ▲14% | 約1ヶ月で回復 |
| ウクライナ侵攻(2022年) | 一時▲10%超 | 数ヶ月で回復・上昇 |
| 12日間戦争(2025年) | 短期的な急落 | 停戦後に急速回復 |
もちろん過去と全く同じになる保証はありません。
ただ「地政学リスクで相場が急落したが長期では回復した」という歴史の積み重ねを知っておくことは、感情的な判断を防ぐ「精神安定剤」になります。
投資歴8年の会社員が今回の局面でやったこと
ここからは僕自身の話です。
今回のイラン情勢で相場が急落した局面、正直なところ少し今後の展開に不安は感じました。
年度末の本業の忙しさも重なって、相場を見るたびに落ち着かない気分になっていたのも事実です。
でも結論として、投資方針は何も変えませんでした。
理由はシンプルで、「今の下落が何によるものか」を冷静に整理したからです。
ホルムズ海峡の懸念による原油高と3月特有の機関投資家の売り圧力——これは企業価値の毀損ではなく、需給と感情の問題。
それがわかれば、投資方針を変える理由がなくなります。
今までやってきて思うのは、
荒れている相場を淡々と通過できる人が長期では勝っているということです。
まとめ〜荒れ相場では「何をしないか」が最大の戦略
最後に要点を整理します。
やらないこと
- シナリオ予測に時間とエネルギーを使う
- 感情が動いているときに積立設定を変える
- SNSの「緊急情報」に振り回される
やること
- 下落の「種類」(企業価値 vs 需給・感情)を見極める
- 個人投資家の強み(待てる・休める)を活かす
- 過去の地政学リスクと相場の歴史を確認する
荒れ相場のときに最も大切なのは「何かをすること」より「余計なことをしないこと」かもしれません。
今この瞬間、積立設定を変えずにいられているなら、それだけで十分です。
投資は自己判断・自己責任でお願いします。この記事は特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。
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このブログのタイトル「かぞくとあおぞら」に込めた想いや、投資で遠回りをしてきた僕の自己紹介を[こちら]にまとめています。
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