はじまりは子どもの寝顔のそばで
子どもが生まれた日のあの感動。
腕の中にいる小さな命の重みを感じながら、夫婦で「この子を幸せにしよう」と誓ったあの日、私たちの生活は一変した。
そして、幸せな気持ちと同時にふと頭をよぎったのが「将来のお金」のこと。
特に、子どもが大きくなったときの「教育資金」だ。
データを見ると、子ども一人を幼稚園から大学まで育てるにはすべて公立でも約822万円、すべて私立なら約2,307万円という数字が並ぶ。
この現実を前に、多くの家庭がそうであるように、私たちも「学資保険」のパンフレットを取り寄せた。
親世代からも勧められ、なんとなく「安全で確実」というイメージがあったからだ。
でも、私たちは少し立ち止まって考えた。
今の時代、本当に学資保険がベストな選択なのだろうか?超低金利が続き、気づかないうちに物価が上がってお金の価値が少しずつ目減りしていく「インフレ」が当たり前になった今、もっと私たち家族に合った方法があるのではないか。
みんなが通る道?「学資保険」をもう一度考える
教育資金の準備といえば、まず思い浮かぶ学資保険。その一番の魅力は、やはり「安心感」だ。
でも、その安心感の正体と今の時代に私たちが支払うことになる「コスト」を冷静に天秤にかけてみることが賢い選択への第一歩だと考えた。
「もしも」の時も安心。学資保険のメリットとは
学資保険が長年、多くの親たちに選ばれてきたのには確かな理由がある。それは、貯蓄と保障がセットになっている点。
特に心強いのが「保険料払込免除特則」という仕組みだ。
もし契約者である親に万が一のこと(死亡や重度の障害など)があっても、それ以降の保険料の支払いは不要になり、しかも、最初に約束された満期金や祝い金はきちんと受け取れるのだ。これは残された家族にとって、子どもの学びの機会を確実に守るための何よりのセーフティネットになる。
他にも、支払った保険料が「生命保険料控除」の対象になり、税金の負担が少し軽くなるというメリットもある。
毎月決まった額が口座から引き落とされるので、貯金が苦手な人でも半ば強制的にコツコツ貯められる「仕組み」としての価値も大きい。
実際、利用者アンケートなどを見ても「手続きが分かりやすい」といった声が多く、金融の知識に自信がない人にとっても始めやすいのが長く支持されてきた理由なのだ。
知らないうちに価値が下がる?インフレという静かなリスク
一方で、学資保険の最大の弱点は物価の上昇、つまり「インフレに弱い」こと。インフレが起きるとモノの値段が上がるので、相対的にお金の価値は下がってしまう。
学資保険は契約した時に将来もらえる金額が決まってしまうため、このインフレの影響を直接受けてしまう。
なぜこうなるかというと、学資保険があまり「増えない」金融商品だから。
保険会社が運用する際の目安となる「予定利率」は、昔は5.5%(1985年)と高い時代もあったが、長く続く低金利の影響で今では非常に低い水準になっている。
実際に最近の人気商品を見ても、18年間保険料を払い続けて最終的に受け取れるお金が、払った総額の101%~105%程度(これを「返戻率」という)というものがほとんどだ。
例えば、返戻率105%の商品で総額300万円を払い込んだとする。18年後に受け取れるのは315万円。18年間で増えるのは15万円にしかならない。
ここで考えたいのが「実質的な価値」だ。
もし、これから18年間の物価上昇率が平均で年1.0%だったとしよう。すると18年後には今の300万円で買えるものを買うのに約359万円が必要になる。
つまり、315万円を受け取っても、そのお金で買えるものの量は、契約した時よりずっと少なくなってしまっているのだ。
これでは実質的には「損」をしていることになってしまう。
この「約束された金額はもらえる安心感」と「お金の価値が下がってしまうリスク」のギャップこそ、私たちが学資保険から距離を置いた最大の理由だ。
計画変更は苦手。 途中でやめにくい仕組み
子育ては本当に長い道のりだ。その間に何が起こるか、すべてを予測するのは難しいだろう。
しかし、学資保険はそうした家計の変化に対応しにくいという側面も持っている。
一番の問題は、途中で解約すると「元本割れ」してしまうリスクだ。
急な出費が必要になったり、家計が苦しくなったりして解約を選ぶと、それまで払ってきた保険料よりも少ない金額しか戻ってこないことがほとんど。特に、契約してすぐの解約では戻ってくるお金はごくわずか、ということもある。
これは、預貯金のように必要な時に自由にお金を引き出せない、ということでもある。学資保険のお金は満期まで使えない「塩漬け資金」になりがちで、子どもの進路が変わったり、予期せぬ出来事が起きたりした時に、柔軟に対応するのが難しいのだ。
こうして考えてみると、学資保険は「保障」と「貯蓄」をセットにした商品だが、その「貯蓄」部分の効率はあまり高くないことがわかる。
それなら、この二つを分けてそれぞれ最適な方法で準備する方が合理的ではないか?
「保障」は保険料の安い掛け捨ての生命保険でしっかり確保し、「貯蓄(資産形成)」はもっと効率の良い別の方法で行う。このシンプルな発想が私たち夫婦の新しい戦略のスタート地点になった。

注:返戻率は契約者の年齢、子どもの年齢、払込期間・方法によって変動します。実質リターンは、18年後のインフレ調整後の価値が当初の元本価値をどれだけ下回るかを示した概算値です。
この表の数字を見たとき、私たちは少し立ち止まって考えさせられた。
返戻率が100%を超えていても、控えめなインフレを想定するだけで実質的な資産価値は15%以上も減ってしまう可能性があるのだ。
これは「資産を守る」というより「資産が少しずつ減っていくのを許容する」ことに近いのかもしれない、と感じた。
我が家の資産形成の主役 「つみたて投資」とNISA
学資保険の限界を知った私たちが次に向かったのは、ただ守るだけでなく「育てる」資産形成、つまり投資の世界だった。
特に2024年から始まった新しいNISA制度は私たちのような子育て世代にとってとても心強い味方になってくれる制度だ。
時間を味方につける、という考え方
投資と聞くと、「難しそう」「リスクが怖い」と感じるかもしれない。
でも、専門家ではない私たちが長期で着実に資産を育てるための方法は、実はとてもシンプル。
それは「長期・積立・分散」という3つのルールを守ること。
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長期投資
子どもの教育資金は0歳から始めれば18年という長い時間を確保できる。
この「時間」こそが、後で触れる「複利」の力を最大限に引き出し、短期的な市場の値下がりリスクを和らげてくれる一番の味方だ。 -
積立投資(ドルコスト平均法)
毎月決まった金額を決まった日に淡々と買い続ける方法。
株価が高い時には少しだけ、安い時にはたくさん買うことを自動で繰り返すので購入価格が平均化される。これなら「高い時に買ってしまった…」という失敗を避けやすく、投資を始めるタイミングに悩む必要もなく、毎月のお給料からコツコツ貯金するという私たちの生活スタイルにもぴったりだ。 -
分散投資
一つの国や会社に集中投資するのではなく、世界中の様々な国の株式などに幅広く投資することで、どこか特定の地域の景気が悪くなってもダメージを和らげることができる。
そして、この戦略の成長を後押ししてくれるのが「複利」の力だ。
複利とは、投資で得た利益をまた次の投資に回すことで、その利益がさらに新しい利益を生んでくれる仕組みのこと。
「雪だるま式に増える」とよく言われるが、期間が長ければ長いほどその効果はぐんと大きくなる。
18年という時間はこの複利の力を実感するのに十分な長さだ。
学資保険とは違う、お金の増え方
この戦略を実践する最高の舞台が親名義で開設するNISA口座だ。
ジュニアNISAは2023年末で終わってしまったが、親自身の非課税枠を使って子どものためのお金を準備することは、税金の面でもとても有利で効率的な方法。
NISAの一番のメリットは、年間最大360万円、生涯で1,800万円までの投資で得た利益に税金が一切かからないこと。
通常、投資の利益には約20%の税金がかかるが、これがゼロになるのは本当に大きな違いなのだ。
学資保険の満期金が課税対象になる場合があることを考えると、その差は明らか。
では、具体的にどれくらいの成長が期待できるかというと、学資保険が18年で数%のリターンだったのに対し、世界の株式市場は長い目で見ると力強く成長している。
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S&P500(アメリカの代表的な500社の株価指数)
過去のデータを見ると、年平均で約10%~12%という高いリターンを記録している。 -
全世界株式(MSCI ACWIなど)
アメリカだけでなく、世界中の国々の株式にまとめて投資する指数。
年平均リターンは約5%~9%とS&P500よりは少し控えめだが、それでも十分に魅力的。
もちろん、これはあくまで過去の実績で未来も同じとは限らない。でも大切なのは、過去のデータが「15年以上の長い期間、世界中の株に幅広く投資を続けた場合、元本割れするリスクは歴史的に見てかなり低くなる」ということを示している点だ。
シミュレーションで見る、18年後の未来
言葉だけではイメージしにくいので、金融庁が提供している信頼性の高い「資産運用シミュレーション」を使って少し未来を覗いてみよう。
もし、毎月3万円を18年間、全世界の株式に投資することを想定して、少し控えめに年率5%で運用できたとする。
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積み立てた元本:3万円 × 12ヶ月 × 18年 = 648万円
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18年後の資産総額:約1,048万円
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税金のかからない運用利益:1,048万円 - 648万円 = 約400万円
学資保険では18年かけても十数万円しか増えなかったかもしれないお金が、つみたて投資なら400万円もの利益を生む可能性がある。これが、時間を味方につけた複利の力。

注:金融庁の資産運用シミュレーションを参考に作成。手数料等は考慮せず、複利計算による概算値。
この表は、私たちの選択の根拠を何よりも分かりやすく示してくれている。
毎月の負担は同じでも、どの方法を選ぶかで18年後の景色がこれほど変わる可能性がある。
もしもの暴落、どう乗り越える?
「でも、暴落が来たらどうするの?」
これは、投資を始めるときに誰もが感じる一番の不安だと思う。
リーマンショックやコロナショックのような経済危機が起これば、資産は一時的に大きく減ってしまう。
でも、ここで思い出したいのが「長期・積立」のルール。
投資で一番怖いのは、市場が暴落することそのものではなく、「怖い」「焦る」といった自分の感情に負けてしまうこと。暴落にパニックになって、持っている資産を全部売ってしまう(狼狽売り)ことこそが、損を確定させてしまう一番の失敗なのだ。
ある投資経験者は「最初の下落で焦って一部を売ってしまったけど、相場はすぐに戻った。『あの時売らなければ』と後悔した」と語っている。
一方で、投資をうまく続けている人たちは「相場が急落しても感情に流されず、淡々と積み立てを続けたことが本当によかった。結果的に安い値段でたくさん買うことができて、その後の回復で資産は大きく伸びた」と口を揃える。
長期で積立投資をする私たちにとって、市場の暴落は「ピンチ」ではなく、良い資産を安く買える「バーゲンセール」と捉えることができる。この考え方を持つことが嵐を乗り切るための一番のお守りになるはずだ。
もう一つの収入源。 「高配当株」という選択
つみたて投資で資産全体の成長を目指すのが、我が家の戦略の「幹」だとすれば、「高配当株投資」は、家計に安定した「おこづかい」(キャッシュフロー)という果実をもたらしてくれる「枝」のような存在。
この二つを組み合わせることで、より強く、しなやかな家計を目指すことができる。
配当金という 「おこづかい」 を雪だるま式に増やす
高配当株とはその名の通り、株価に対して高い割合の配当金を定期的(多くの日本企業は年に2回、アメリカの企業は年に4回)に支払ってくれる会社の株のこと。
つみたて投資で選ぶインデックスファンドが、資産全体の価値をじっくり高めていくのに対し、高配当株は銀行預金の利息とは比べ物にならないくらいの現金を、定期的にもたらしてくれる。
この戦略が面白いのは、もらった配当金を「再投資」に回すことで、さらに力を発揮する点。
受け取った配当金でまた同じ会社の株を買い増していくのだ。すると、次に受け取れる配当金の額は持っている株が増えた分だけ多くなる。その増えた配当金でさらに株を買い増す…。このサイクルを繰り返すことで、毎月の積立金とは別に配当金が生み出す利益も複利で増えていく「第二の雪だるま」が作られ、資産全体の成長スピードがさらに上がっていく 。
この戦略には心理的なメリットもある。
市場全体が停滞して資産の評価額がなかなか増えない時期でも、定期的に配当金が振り込まれると「自分の資産がちゃんと働いてくれている」という実感が持てるのだ。
この手応えが長期投資を楽しく続けるための、良いモチベーションになるはずだ。
失敗しないための銘柄選び
高配当株投資で気をつけたいのが「減配(配当金が減ること)」や「無配(配当金がなくなること)」のリスク。会社の業績が悪くなれば、もちろん配当を維持できなくなるためだ。
減配が発表されると、配当目当てだった投資家ががっかりして株を売り、株価も大きく下がってしまうというダブルパンチを受けることも少なくない。
ある投資家は、配当利回りの高さに惹かれて海運会社の株を買ったものの、その後の業績見通しを知らずに購入し、大きな損失を出してしまったと語っていた。
この「減配リスク」をできるだけ避けて、安定して「金の卵を産む鶏」のような会社を見つけるために、私たちは専門家が推奨する、以下の5つの点をチェックするようにした。
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会社規模が大きく、業界のリーダーであること
時価総額が1兆円を超えるような大企業は事業が安定していて、財務的にも体力があることが多い。 -
しっかり利益を出していて、借金が少ないこと
安定して利益を出し(高い利益率)、健全な財務状況(低い自己資本比率)の会社は不景気でも配当を出し続ける力がある。 -
景気の波に左右されにくい業種であること(ディフェンシブ銘柄)
私たちの生活に欠かせない通信、電力・ガス、食品、医薬品といった業種の会社は景気が悪くなっても需要が落ちにくく、業績が安定している。 -
長年、安定して配当を出している、または増やし続けている実績があること
過去の実績が未来を保証するわけではないが、株主に利益を還元しようという会社の姿勢の表れになる。日本には、花王(34年連続増配)やSPK(26年連続増配)のように驚くような実績を持つ会社もある。 -
配当金の支払いが無理のない範囲であること
会社の利益のうち、配当金に回す割合を「配当性向」というが、この割合が高すぎる(例えば80%超)会社は利益のほとんどを配当に出してしまっていて、将来の成長のための投資や、いざという時の備えができていない可能性があり、少し注意が必要だ。
このチェックリストは、ただ利回りが高い銘柄を探すのではなく、長く安心して付き合える「質の良い会社」を見つけるための私たちなりの道しるべになった。
個別株で選ぶか? ETFでまとめて買うか?
高配当株投資を始めるには大きく二つの方法がある。
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個別株で選ぶ
上のチェックリストを参考に自分で10~15社ほどの優良な会社を選んで、分散投資する方法。会社を調べる手間はかかるが、自分が応援したい会社に直接投資する楽しみがある。 -
ETF(上場投資信託)でまとめて買う
高配当株を数十から数百社集めた「詰め合わせパック」のようなETFを買う方法。これを一つ買うだけで自動的にたくさんの会社に分散投資ができ、面倒な銘柄の入れ替えも専門家がやってくれるとても便利な選択肢。
特に、アメリカの高配当ETFは世界中の投資家から人気があり、中でも以下の3つは「米国高配当ETFの定番」としてよく名前が挙がっている。
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VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)
約400銘柄以上ととても幅広く分散されている。市場平均よりも高い配当が期待できる大企業が中心で、安定感を重視したい人に向いている。 -
HDV (iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF)
財務が健全で安定して高い配当を支払える、質の高い会社約75銘柄に厳選して投資している。クオリティ重視の戦略。 -
SPYD (SPDR ポートフォリオ S&P 500 高配当株式 ETF)
S&P500の構成銘柄の中から配当利回りが高い順に80銘柄を選んで、均等に投資するというシンプルな戦略。高い利回りを狙えるが、不動産や金融など特定の業種に偏る傾向がある。
これらのETF(もしくはETF連動型投資信託)は、それぞれ違う考え方で銘柄を選んでいる。どれが自分たちの考えに合うかよく比較して考えるのが良い。

注:データは時期により変動します
この高配当株という「枝」は子育て中は配当金を再投資して資産全体の成長を助け、いざ学費が必要になった時には株を売らなくても、生み出される配当金で支払いをまかなう、といった柔軟な使い方もできる。
つまり、この組み合わせは「資産の成長」と「おこづかい」という二つの顔を持つ、とても頼もしい存在なのだ。
具体的なはじめ方の例
これまでの話を踏まえて、具体的なポートフォリオの設計図と実践方法を説明しようと思う。これはあくまで一例だが、どのご家庭でも応用できるシンプルなプランだ。
モデル・ポートフォリオ
私たちの戦略のポイントは、NISAの二つの非課税枠「つみたて投資枠」と「成長投資枠」をそれぞれの特徴に合わせて使い分けること。
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コア資産の70%:つみたて投資枠で
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投資先
手数料の安い全世界株式インデックスファンド(例えば「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」)やS&P500インデックスファンド。 -
役割
ポートフォリオの土台となる部分。世界経済全体の成長の波に乗って、資産を大きく育てる(キャピタルゲイン)ことを目指す。毎月コツコツ、自動で積み立てていく。
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サテライト資産の30%:成長投資枠で
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投資先
米国の高配当株式ETF(例えば「VYM」や「HDV」)や先ほどのチェックリストをクリアした日本の優良な高配当株を数社。 -
役割
定期的に現金(インカムゲイン)を生み出し、家計に安定感をもたらす「守備の要」。受け取った配当金は再投資してコア資産の成長を後押し。また、インデックスファンドとは少し違う値動きをすることが多いので、リスクを分散する効果も期待する。
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この「70:30」という配分は、長期的な成長をしっかり狙いつつ、配当金による精神的な安心感と複利効果の加速も両立させたい、という私たちにとっての心地よいバランスだった。
パパ・ママの「?」への答え
この戦略について、きっと皆さんが気になるであろう疑問に、私たちなりにお答えします。
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Q1. 「子どもが大学に入る直前に暴落が来たらどうするの?」
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A1. 大丈夫です。そのための「出口戦略」があります。
教育費が必要になるゴール(例えば子どもが18歳になる年)から逆算して、15歳くらいになったら、少しずつ資産の中身を安全なものに変えていきます。具体的には、それまで積み立ててきた株式の投資信託やETFを少しずつ売って、そのお金を元本が保証されている預貯金や、値動きの安定した債券などに移していくんです。
こうすることで、ゴール直前の市場の変動にハラハラすることなく、それまでに得た利益をしっかり確保できます。
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Q2. 「学資保険の『保険料払込免除』がなくなるのは、やっぱり不安…」
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A2. 「保障」と「貯蓄」を分けることでより安く、より大きな安心が手に入ります。
学資保険の払込免除は心強いですが、そのために効率の悪い貯蓄を続ける必要はありません。代わりに、親(特に家計を支える人)を対象にした、手頃な掛け捨ての「定期生命保険」に別で入るのがおすすめ。
例えば、子どもが独立するまでの20年間、万が一のことがあったら2,000万円が支払われる、といった保険です。
この方法なら、学資保険についている保障よりもずっと安い保険料で、より大きな保障額を確保できます。保障は保険で資産形成は投資で。これが、一番合理的だと私たちは考えました。
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Q3. 「やっぱり、投資ってなんだか難しそう…」
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A3. 最初の数時間のがんばりが、未来の18年間を楽にしてくれます。
確かに、口座開設や商品選びなど、最初のステップには少しだけ勉強が必要です。でも、一度自動積立の設定をしてしまえば、この戦略はほとんど自動で進んでいきます。
年に1回、1時間ほど見直しをするだけで、あとはシステムがあなたの代わりに資産を育ててくれるのです。このわずかな最初の頑張りで得られるものはとても大きいと信じています。
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Q4. 「急な出費でお金が必要になったらどうすればいい?」
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A4. NISAは、学資保険よりもずっと柔軟に対応できます。
NISA口座の資産は必要な時にいつでも売って現金にすることができます。もちろん、市場の状況によっては元本割れの可能性もありますが、数日で現金が手に入ります。一方、学資保険は途中で解約すると大きなペナルティがあり、すぐにはお金を引き出せません。
いざという時の対応力という点では、NISAの方がずっと柔軟です。
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そして、この戦略の素晴らしいところは、教育資金という目的を果たした後もその価値が続くことです。
教育資金として使った分の非課税枠は、翌年以降に「復活」する仕組みになっています。つまり、このNISA口座は子どもの教育資金を準備するための道具であると同時に、その役目を終えた後は私たち夫婦の老後資金を準備するための、一生涯使える「家族の資産形成エンジン」として、休むことなく働き続けてくれるのです 。
【結論】 未来のために私たち自身が選ぶ道
ここまで、私たち夫婦の長い「作戦会議」にお付き合いいただき、ありがとうございました。
伝統的な学資保険は、確かに「安心」という言葉で私たちを包んでくれます。
でも、その中身をよく見てみると、インフレでお金の価値が目減りするリスクや途中でやめにくいという不自由さも抱えていました。
それは、未来に対して少し受け身な選択かもしれないと私たちは感じました。
一方で、NISAという心強い味方を得て「つみたて投資」で世界の成長の力を借り、「高配当株」で安定した収入源を作るという戦略は、より大きな可能性と変化に対応できるしなやかさを与えてくれます。
これからの時代、本当の意味で「資産を守る」とは、リスクから目をそらしてお金を安全な場所に隠すことではないのかもしれません。
リスクの正体をきちんと知り、時間を味方につけ、自分たちなりのルールで賢く付き合っていく。そんな能動的な姿勢こそが大切なのではないでしょうか。
もちろん、投資に「絶対」はありません。
でも、不確実な未来を前にしてただ不安に思うのではなく、自ら学び、考え、一歩を踏み出すこと。
その小さな一歩が漠然としたお金の不安を、家族の未来を切り拓くための確かな自信に変えてくれるはずです。
この記事が、あなたの家族の「作戦会議」のヒントに少しでもなれたなら、これほど嬉しいことはありません。