はじめに
この週は、米国株が利下げ期待を背景に連日で最高値を更新する一方、金利や政治リスクの重しも散見される展開となりました。
日本株も日経・TOPIX共に史上最高値を連日で更新。ただしその裏には、物色の偏重や需給調整の動きが潜んでいます。
投資家としては、高値圏という油断しやすいゾーンでどう立ち回るかが試される一週間でした。
1. 今週のアメリカ市場 📈
Yahoo!ファイナンスより引用
Yahoo!ファイナンスより引用
Yahoo!ファイナンスより引用
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9/22(月):S&P500・ナスダック・ダウの三指数がそろって最高値更新。iPhone好調報やNVIDIA関連材料などが追い風に。
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9/23(火):政府閉鎖リスクとFRBの慎重スタンスが嫌気され、株価反落。利下げ観測の揺らぎが意識され始める。
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9/24(水):続落。長期金利上昇がハイテク株を中心に重荷に。景気指標の強さが利下げ期待を抑制。
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9/25(木):3日続落。GDP確報値が上振れしたことで「利下げ織り込み」が後退。テック株に売りが先行。
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9/26(金):PCEコア指標が市場予想と大きなズレなし。利下げ期待を下支えに反発。消費関連や公益、自動車セクターが相場を支える。
総じて、相場は「利下げ期待 vs 金利と景気の強さ」という2つの力の綱引きの中で揺れ動いた印象です。
2. 今週の日本市場 📈
Yahoo!ファイナンスより引用
Yahoo!ファイナンスより引用
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9/22(月):前週末の下落分をほぼ取り戻す形で大幅反発。円安と米環境追い風、半導体や商社株が買われる。
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9/23(火):秋分の日で休場。先物指数はやや軟調。
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9/24(水):日経・TOPIXともに史上最高値更新。後場の円安進行・政策期待が追い風。
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9/25(木):最高値更新継続。売買代金も活発。後場で伸びを見せ、ほぼ全面高の地合い。
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9/26(金):日経は約0.9%の反落。ただしTOPIXは最高値を更新。半導体株の反落と配当取り期待の入れ替わりが顕著。
日本株市場は指数レベルでの高値更新が目立ちますが、個別銘柄での動きは二極化しました。
特に、半導体系の銘柄に利益確定圧力がかかった一方、内需・商社・銀行株には比較的安定した買いが見えました。
3. 為替と金利の流れ 💱
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ドル円は、週初147円台後半から149円台後半にかけて上昇基調をたどり、150円台の接近を意識させる展開に。
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米10年国債利回りは4%台半ばでのもみ合い。利下げ観測とのせめぎ合いで上下に揺れやすい環境。
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日本の金利水準は比較的安定。日米金利差拡大が一段と円安圧力を誘発している点に要注意。
4. 今週の注目ニュース TOP3 📰
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利下げ観測と経済指標
PCE、GDP、PMIなど経済指標が利下げ予測に与える影響は依然として市場の焦点。 -
自民党総裁選告示
経済政策期待が高まり、関連銘柄への物色が波及するかが注目。 -
米政府予算・閉鎖リスク
予算協議の行方が市場心理に影響。合意できなければリスク要因に。
これら3本柱が、相場の方向性を部分的に規定する材料になったと言えそうです。
5. “考え方” のポイント 📚
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高値圏では“持ち高調整”に敏感に
指数が最高値を更新しても、物色対象が限定的であったり、利確の動きが先行したりする場面はしばしば。
全体相場が強く見えても、個別銘柄の動きを見る習慣をつけると過熱感や警戒サインを早めに捉えやすくなります。 -
為替リスクは急変するスイッチ
日本株の場合、円安が追い風、円高が逆風になりやすく、ドル円の動きが突然トリガーになることも。
日米金利差や日銀・FRBの動向をウォッチし、為替変動に備えるヘッジ戦略も選択肢として持ちましょう。 -
イベント前後での“需給のゆらぎ”に着目
権利付き最終売買日、決算発表日、政策発表直後などは一時的な売り買いが集中しやすい局面です。
これを逆手にとって、短期的な「押し目」や「戻り」を狙う戦略が有効な場合もあります。
6. 来週の注目テーマ 🔮
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米政府閉鎖リスク:予算の膠着状況がどう解消されるか。
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ドル円の150円突破ライン:節目ブレイクの可能性。
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米雇用統計、ISM、個人消費など指標の結果と市場反応。
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日本株:配当落ち後の需給調整と物色テーマの転換。
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総裁選動向と次期政権の経済政策(成長戦略・規制緩和テーマなど)。
7. さいごに ✨
今週は、利下げ期待と金利・景気の強さが交錯する中、高値更新と調整のせめぎ合いが目立った展開でした。
特に、「高所での展開」では小さな揺らぎがトレンド転換の兆しになりやすく、慎重さと機動力のバランスが問われる局面となっています。