今週は米国で主要3指数が相次いで最高値を更新。
AI需要期待と年内利下げ観測が相場を支える一方、米政府閉鎖が継続し統計の公表停止という異例の状況が投資判断を難しくしました。
日本は総裁選と日銀政策思惑に揺れつつも、週末にかけて半導体・AI関連がけん引し史上最高値を更新。
高所での“熱狂”と“慎重さ”が交錯する1週間でした。
1. 今週のアメリカ市場 📈
Yahoo!ファイナンスより引用
Yahoo!ファイナンスより引用
Yahoo!ファイナンスより引用
- 9/29(月):PCEが想定内で利下げ期待継続。政府閉鎖リスクの後退も手伝い続伸、AIやゲーム株が堅調。
- 9/30(火):政府閉鎖懸念残るも月替わりの需給で買い戻し。主要3指数が続伸しダウは最高値更新。
- 10/1(水):ADP雇用統計が▲3.2万人の減少。景気減速懸念よりも利下げ観測が勝り、3指数は続伸。
- 10/2(木):AI・半導体上昇で3指数そろって最高値更新(SOX+約1.9%)。
- 10/3(金):政府閉鎖で米雇用統計は未公表。一方、ISM非製造業は50.0と“横ばい”を示し、ダウは最高値更新・ナスダックは反落。
利下げ期待と景気鈍化のせめぎ合いの中、セクターごとの温度差が拡大。
AI/半導体に資金集中、金融・エネルギーは相対的に重い結果になりました。
2. 今週の日本市場 📈
Yahoo!ファイナンスより引用
Yahoo!ファイナンスより引用
- 9/29(月):配当権利落ちと円高で日経▼0.69%、TOPIXは配当差引後も大幅安。非鉄のみ上昇と選別色。
- 9/30(火):朝方急落後に下げ渋り。日経は小幅安、TOPIXは小幅高。総裁選や日銀利上げ観測で手控え。
- 10/1(水):円高と益出しで4日続落。日銀短観(9月調査)では大企業の業況感が改善、設備投資計画も上方修正。
- 10/2(木):半導体・医薬品が買われ日経は反発、TOPIXは小幅安で温度差。
- 10/3(金):半導体・AI主導で大幅高。日立がOpenAI提携報道で急伸、日経・TOPIXともに最高値更新。
需給(配当落ち・月替わり)とテーマ物色が交錯。
円安基調が戻ると輸出株に追い風、内需・金融は相対的に伸び悩みました。
3. 為替と金利の動向 💱
ドル円は148円台→一時146円台まで円高→週末147円台後半へ戻り。
米10年金利は4.3%前後で振幅。ADP▲3.2万人とISM非製造業50.0が短期的な利下げ期待を支える一方、政府閉鎖で公式統計が欠落し、ボラティリティ上振れリスクに注意が必要です。
4. 今週の注目ニュースTOP3 📰
- 米政府閉鎖が継続し主要統計が停止
雇用統計未公表で市場は“手探り”。データ空白は価格変動を増幅させやすい。 - 日銀短観の改善と利上げ思惑
業況・設備投資計画の上振れで、10月利上げ観測が再燃。 - AI・半導体のグローバル資金流入
米国の強さが東京に波及。好材料の連鎖が続く一方、利益確定のタイミング管理が鍵。
5. 投資家が考えるべきポイント 📚
- 高値圏での“熱狂×冷静”ハイブリッド
トレンドは強いが、指数の陰に潜む“セクター温度差”と“売買代金の偏り”を日々チェック。 - 為替の“スイッチ”に備える
147円近辺は心理的節目。円高加速時は輸出の利確・内需ディフェンシブの見直しが機能しやすい。 - テーマ×需給サイクルの可視化
AI/半導体は“息継ぎ”がつきもの。上昇波の合間に出来高減少・値幅縮小が出たら節度あるポジション調整を。 - データ欠落環境でのリスク管理
公式統計が止まる局面では、民間指標(ADP等)や高頻度データで代替しつつ、ポジションサイズを抑制。
6. 来週の注目テーマ 🔮
- 政府閉鎖の行方と統計再開タイミング
再開初日はサプライズに要警戒。 - 米金融政策の織り込み再評価
データ再開後、利下げ観測の強弱が修正される可能性。 - 日本の総裁選後の政策期待
成長投資・規制緩和・税制の方向性と関連セクターへの波及。 - AI/半導体の持続力
需給の“第二波”が来るか、物色の裾野が広がるか。 - 為替×金利
円安回帰か、金利差縮小での巻き戻しか。
7. さいごに ✨
最高値圏は“気持ちが前のめり”になりがちです。
だからこそ、小さな変化(出来高、先物手口、為替の微妙な転換)に敏感でありたいところ。焦らず、テーマと需給の呼吸を感じながら、リスク許容度に沿った押し目戦略を。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。