エネルギー株って、難しいと思っていませんか。
原油価格、為替、中東情勢、OPEC+…自分ではコントロールできない要素が多すぎて、「なんとなく気になるけど手が出しにくい」という声をよく聞きます。
実は僕も、最初はそのひとりでした。
この記事では、INPEX(証券コード:1605)を2018年から約7年間保有してきた経験をもとに、エネルギー株との向き合い方について正直に書きます。
含み益が+212%になった今だからこそ言える、「それでも続けてよかった」と思える理由も含めてお伝えします。
この記事でわかること
- INPEXという会社の基本情報と業績の特徴
- エネルギー株の業績に影響する原油価格・為替の仕組み
- 長期保有することで見えてくる「YoC(取得コスト利回り)」という視点
- コウが7年間保有し続けてこられた理由のエッセンス
INPEXとはどんな会社か
INPEX(株式会社INPEX、証券コード:1605)は日本最大の石油・天然ガス開発会社です。
オーストラリアのイクシスLNGプロジェクトをはじめ、30カ国以上で探鉱・開発・生産を手がけています。
| 基本情報 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 株式会社INPEX |
| 証券コード | 1605(東証プライム) |
| 業種 | 石油・天然ガス開発(上流) |
| 時価総額 | 約6.2兆円(2026年3月時点) |
| 決算期 | 12月期 |
| 配当確定月 | 6月・12月(年2回) |
| 2026年予想配当 | 108円(累進配当・下限90円を宣言) |
売上収益は2兆円規模、エネルギーセクターの中では国内トップクラスの存在感を持つ企業です。
エネルギー株が「難しい」と感じる本当の理由
INPEXの業績を左右する要因は、大きく「原油価格」と「為替」の2つです。
原油価格との連動
INPEXは石油・天然ガスの開発・生産(上流)を手掛ける会社なので、原油価格が上がれば販売収入が増え、業績が改善します。
試算では原油価格が1ドル上昇するだけで、純利益が約60億円プラスになる計算です(INPEX IR資料より)。
逆に下がれば、その分だけ業績を直撃します。
為替の影響
INPEXの売上の大部分は海外事業からの外貨建て収入なので、円高になると円換算額が目減りして業績を圧迫します。
2025年12月期の決算でも、原油価格の下落と円高の影響が重なり、売上収益が前期比10%超の減少となりました。
つまり「原油が上がって円安なら好調、原油が下がるか円高になれば苦しくなる」というシンプルな構造です。
個人投資家にはコントロールできない
中東情勢が緊迫すれば原油価格は上がりやすく、逆に米中の関税摩擦懸念やOPEC+の増産方針が重なれば下落基調になる。
これは個人投資家が動かせる話ではありません。
「だからエネルギー株は難しい」と感じるのは、当然のことだと思います。
地政学リスクが相場全体に及ぼす影響については、こちらの記事でも整理しています。
▶︎ 地政学リスクで相場が急落…積立投資はどうする?会社員投資家が実践する3つの対処法
イラン情勢で日経平均が急落。積立を止めるべき?投資歴8年・準富裕層目前の会社員投資家が荒れ相場を乗り切る具体的な考え方と…
【実体験】取得単価1,569円のINPEXが7年で4,900円になるまで
僕がINPEXを最初に買ったのは2018年ごろです。
エネルギー関連の高配当株として気になって、深く考えずに少しずつ積み始めました。
現在の保有状況(2026年3月29日時点)
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 保有株数 | 約139株(SBI証券100株+キンカブ約39株) |
| 平均取得単価 | 1,569円 |
| 現在株価 | 4,900円 |
| 評価益 | +約463,000円(+212%) |
| 現在の配当利回り | 約2.2%(株価4,900円ベース) |
含み益が+212%になった今も、正直「やったー」という感覚よりも「そうか、そうなったか」という感じに近いです。
途中、原油価格が下落したとき、円高が進んだとき、中東情勢が緊迫したとき…何度も不安になりました。
それでも保有し続けるという方針は変えなかった。
今ふり返ると「変えなかった」というよりも「変える理由が見つからなかった」という方が正確かもしれません。
長期保有で見えてくる「YoC」という視点
ここで、エネルギー株を長期保有するうえで大切な概念を紹介します。
YoC(Yield on Cost=取得コスト利回り)とは、「現在の配当額 ÷ 自分の取得単価」で計算する実質的な配当利回りのことです。
現在のINPEXの配当利回りは約2.2%です。今から株を購入する人にとっての利回りはその水準になります。高配当株として見ると「物足りない」と感じるかもしれません。
しかし僕の場合は、計算が変わります。
年間配当100円(2025年実績) ÷ 取得単価1,569円 = 約6.37%
現在の株価が4,900円になっても、僕が1,569円で買ったという事実は変わりません。
その取得単価に対して毎年6%超の配当が積み上がっていく。これが長期保有の「ご褒美」の正体です。
2026年の予想配当108円で計算すると、YoCは約6.88%にさらに上がります。
ポイント:YoCは「今の利回り」ではなく「自分の買値に対する利回り」
配当をメンタルの安定剤として機能させる考え方については、こちらでも詳しく解説しています。
▶︎ 暴落でも「ちゃんと動いてる」と思えるポートフォリオの作り方|配当をメンタルの安定剤にする設計
相場が荒れるたびに評価額を見て消耗していませんか?投資歴7年・資産5,000万円超の会社員が実践する「配当をメンタルの安…
INPEXの配当推移と「累進配当」という約束
INPEXの配当推移を見ると、2021年から5期連続で増配を続けています。
| 決算期 | 1株あたり年間配当 |
|---|---|
| 2021年 | 27円 |
| 2022年 | 62円 |
| 2023年 | 76円 |
| 2024年 | 86円 |
| 2025年(実績) | 100円 |
| 2026年(予想) | 108円 |
特に重要なのは、2025〜2027年の中期経営計画で「1株あたり年間90円を起点とする累進配当」を宣言したことです。
業績が悪化しても配当の水準は守るという企業側の意思表示です。
原油価格が下落基調だった2025年でも、しっかり増配を実現しました。
「株価がどうなるか」は誰にもわかりませんが、「配当がいくら以上になるか」については企業が約束してくれています。
2026年のINPEXを取り巻く環境
足元の状況を正直に整理しておきます。
逆風面
- 2025年12月期の純利益:約3,938億円(前期比7.8%減)
- 2026年12月期の純利益予想:3,300億円(前期比16%減の見通し)
- 原油価格の下落傾向と円高の影響が続いている
注目ポイント
- イラン情勢をはじめとする中東の地政学リスク:供給不安が高まれば原油高・株高の追い風に
- OPEC+の増産ペース調整:需給が引き締まれば原油価格反発の可能性
- 累進配当の継続:業績が厳しくても108円配当は守られる見通し
「業績は厳しいけど、配当は守られる。地政学リスクが高まれば追い風になる構造もある」というのが、今のINPEXの正直な姿だと思っています。
暴落や急落の局面での判断については、こちらも参考になると思います。
▶︎ インデックス投資は暴落時に買い増しすべき?8年続けた会社員の結論
インデックス投資をしている人なら、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。 「暴落が来た。ここは買い増しのチャンスな…
まとめ〜エネルギー株との正しい付き合い方
7年間INPEXを持ち続けてきて、たどり着いた結論はシンプルです。
「わからないことを受け入れて、わかることに集中する」
原油価格も為替も、個人投資家にはコントロールできません。
でも、累進配当という企業の約束、上流事業という強固なビジネスモデル、そして自分の取得単価に対してどのくらいの利回りが出ているか——これはわかります。
わかることを根拠に持ち続ける。わからないことで慌てて動かない。
投資し続けるという方針と積立設定は、今日も変えていません。
📝 この記事のテーマをもっと深く知りたい方へ
「INPEX株を保有する個人投資家が気づいたエネルギー株との正しい付き合い方」をnoteで公開しています(有料記事)
- 累進配当という「約束」をどう読み解くか
- コントロールできないリスクとの向き合い方
- YoC 6.37%という実数値が示す長期保有の価値
- 2026年のINPEXをコウがどう見ているか
リアルな保有状況のデータと、7年間の判断プロセスを全部書きました。
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【免責事項】
本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任のもと行ってください。
記載された株価・配当情報等は執筆時点のものであり、最新情報と異なる場合があります。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
このブログのタイトル「かぞくとあおぞら」に込めた想いや、投資で遠回りをしてきた僕の自己紹介を[こちら]にまとめています。
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