AIが電気を大量に食う、という話を聞くようになって久しいです。
「ChatGPTで1回質問するのに、Google検索の約10倍の電力を使う」という試算を最初に読んだとき、正直ピンとこなかったんですが、毎日仕事でAIを使うようになってから、じわじわとリアルに感じるようになってきました。
自分が「便利だな」と思って入力している言葉の裏で、地球のどこかのデータセンターが電力をものすごい勢いで消費している——そう考えると、急に「自分ごと」に見えてくるんですよね。
そして「この流れで日本株では何が恩恵を受けそうか」と考えたとき、自然と目が止まったのが三菱重工業(7011)とIHI(7013)でした。
今回は、この2銘柄をウォッチしてわかったことと、配当重視の会社員投資家として「気になるけど今は買わない」と判断した理由を正直に書いてみます。
この記事でわかること
- 三菱重工・IHIがSMR(小型原子炉)テーマで注目される理由
- 2銘柄のPER・PBR・配当利回りの実数値と、その読み方
- 配当重視 vs キャピタルゲイン狙い、自分のスタイルに合うかの判断軸
- ボーナス前のフルインベスト体質が「今すぐ買えない期間」にやること
なぜ今、三菱重工とIHIが注目されているのか
AI電力問題×SMRという交点
AIの普及でデータセンターの電力需要が急増しているのは周知のとおりですが、この問題の核心は「太陽光や風力では間に合わない」という点にあります。
再生可能エネルギーは天候に左右されるため、24時間安定して大量の電力を供給するのが難しい。
そこで注目されているのが、SMR(Small Modular Reactor:小型モジュール炉)と呼ばれる次世代の小型原子炉です。
従来の大型原発より敷地が小さく、安全性が高く、天候を問わず24時間安定した電力を供給できる——AIデータセンターの「電源」として、これ以上ない特性を持っています。
動きはすでに具体化しています。
MicrosoftはスリーマイルIsland原発の再稼働に向けた契約を結んでいて、GoogleはSMR開発企業と電力購入契約を発表しました。かつて「再生可能エネルギーの旗手」だったGAFAMが原子力に本腰を入れ始めている——この事実が市場に与えた影響は小さくありません。
三菱重工業(7011)の立ち位置
三菱重工は、原子力発電プラントの設計・製造・保守を一貫して手がけられる国内唯一に近い総合重工メーカーです。
SMRの小型軽水炉開発を進めながら、防衛・航空・エネルギーの3テーマが重なっている点が市場から高く評価されています。
「AI × 防衛 × エネルギー」——今の相場テーマが3つ全部乗っかっているという意味では、確かに強力な銘柄です。
IHI(7013)の立ち位置
IHIはSMR開発の世界的リーダーである米ニュースケール・パワーに出資していて、SMR向けの格納容器製造・検査技術を開発中です。
「縁の下の力持ち」的なポジションで、派手ではないけれど技術的な参入障壁が高い。ROEが26%超と、資本効率の高さも際立っています。
数字を見たら「うっ」となった話
テーマが面白いと思ったら、次は数字を見るのが習慣です。結果はこうでした。
三菱重工業(7011)
- PER:約62倍
- PBR:約6倍
- 配当利回り:約0.5%
IHI(7013)
- PER:約35倍
- PBR:約7.8倍
- 配当利回り:約0.5%
…正直、「うっ」となりました(笑)
配当利回り0.5%。僕が保有している高配当銘柄の利回りは3〜5%台なので、10分の1以下です。
インカム(配当収入)を重視してきた立場からすると、これはかなりの違和感でした。
PERについても、三菱重工の約62倍というのは「今の利益の62年分を先払いしている」という水準。
長期・バリュー寄りの投資観を持つ僕には、正直ちょっと怖いと感じました。
ただ、「だから買わない」で終わるかというと、そう単純でもありません。
業績を見ると、三菱重工の直近決算は売上収益・事業利益ともに前年比で二桁増。防衛・エネルギー・航空の受注は今後も続く見通しで、「業績が伴っているから高くて当然」という見方もあります。
割高に見えるのは、テーマへの期待値がすでに株価に織り込まれているから。これが果たして適正なのか、さらに伸びる余地があるのか——正直わからないのが本音です。
配当重視の投資家がキャピタルゲイン狙いの銘柄を買うべきか
数字を調べていくうちに、もう一つ気づいたことがありました。
「この銘柄に自分は何を求めているのか整理できていない」
これまで僕が個別株を買ってきた動機のほとんどは「配当をもらいながら長く持つ」というものです。
以前書いた記事でも触れましたが、含み損が一時的に大きく出る局面でも、配当が入り続けることが「メンタルの安定剤」になってくれた経験があります。
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でも三菱重工やIHIは、配当よりも値上がり益(キャピタルゲイン)を狙う銘柄としての性格が強い。それは僕がこれまでの8年間で培ってきた得意フィールドではない——そう気づいたとき、ウォッチリストを眺める目線が少し変わりました。
似たような経験をしたのが、INPEXを7年保有してきた過程でした。
エネルギー株を長期保有することで見えてくる「配当再投資の威力」を実感してきた分、配当0.5%の銘柄をどう評価すればいいか、自分の中に判断軸がまだ育っていないと感じています。
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現金比率10%以下のフルインベスト体質がボーナス前にやること
毎月の給料から生活費を引いた分は、ほぼ全額を積立投資に回しているので、月の後半になると現金はほぼゼロ状態になります。
財布に5,000円しかないのに証券口座だけ気にしているという生活です(笑)
個別株を本気で買える余裕資金が生まれるのは、ボーナスが入るこの時期だけ。だからこそ「今すぐは買えない」状況で、じっくり考えられているとも言えます。
毎月の積立てを優先することは、僕にとって崩してはいけないルールです。
仕組みを一度崩すと、元に戻すエネルギーがかかる。欲望で仕組みを変えない——それが今まで続けてこられた一番の理由だと思っています。
では今できることは何か。整理してみると3つあります。
① ウォッチリストで「相場感」を育てておく
今の株価水準・出来高・決算スケジュールを継続的に把握しておきます。
「買えない期間に眺めていると、自分の中に値ごろ感が育っていく」というのは、実際に感じていることです。INPEXを保有する前も、しばらくウォッチしてから買いました。
② 「購入基準」を今から言語化しておく
感情で動かないための事前ルールを決めておくということです。
ボーナスが入ってから考えると、どうしても「今買わなきゃ」という焦りが出てきてしまうので。
③ 「なぜ気になっているのか」を言語化しておく
これが今回いちばん大事だと思っています。
「テーマが面白い」「話題になっている」だけで買うのは自分のスタイルとズレている。インカム重視の自分がキャピタルゲイン狙いの銘柄をなぜ買うのか——その問いに答えが出るまでは、焦って動かなくていいと考えています。
投資の判断がブレるときは、たいてい「なぜ買うか」の答えが曖昧なままになっているものです。
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「気になっているけど買わない」時間は無駄じゃない
投資って、買う瞬間より「買う前の時間」の方が大事だと、最近しみじみ思うようになりました。
8年続けてきて気づいたのは、失敗した買い物にはだいたい共通点があるということです。
「なんとなく良さそう」「今買わないと伸びるかも」という焦りが引き金になっている。逆に、じっくり考えて「やっぱりやめた」と判断できたときは、後から振り返っても納得感がある。
どちらも「待てる時間があったから」できたことだと思っています。
今の僕は、まさにその「待てる時間」の中にいます。
ボーナスはまだ入っていない。余裕資金はあまりない。でもウォッチリストに銘柄は入れた。数字を調べて葛藤も出てきた。自分のスタイルと照らし合わせて問い直している。
サラリーマン投資家の宿命として、毎月使えるお金には限りがある。でもその制約が、逆に「焦らず考える習慣」を作ってくれているとも思うんですよね。
「買う」でも「やめる」でも、最終的には自分の判断で。
焦らなくていい——これは積立投資だけじゃなくて、個別株を検討するときも同じことが言えるんだなとあらためて感じています。
まとめ〜三菱重工・IHIを「今すぐ買わない」サラリーマン投資家の結論
- SMRはAI電力問題の解決策として注目度が高く、三菱重工・IHIはテーマ性が強い
- ただし現在のPER(三菱重工62倍、IHI35倍)・配当利回り(両社0.5%)は、インカム重視の投資家には高めの水準
- 配当重視かキャピタルゲイン狙いかを自分の中で整理することが先決
- 「買う基準」を今から言語化しておき、ボーナスが入ったときに焦らず動けるよう準備する
- 「待てる時間」を使って相場感を育てておくことも、立派な投資行動
ボーナスが入るまで、もうしばらく時間があります。その間に、自分なりの答えを出しておこうと思っています。
※この記事は特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資はご自身の判断と責任のもとで行ってください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
このブログのタイトル「かぞくとあおぞら」に込めた想いや、投資で遠回りをしてきた僕の自己紹介を[こちら]にまとめています。
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