夏のボーナスが振り込まれてから、もう数週間。
証券口座を開けば買付履歴はちゃんと並んでいるのに、なぜか一つの口座だけ、振込日からぴたりと残高が動いていない——。
日経平均が一時7万円台に乗せ、SNSを開けば含み益の報告ばかり流れてくる。
こんな相場だからこそ、「そろそろ何かしなきゃ」という焦りが顔を出しやすいタイミングでもあります。
でも実は、「決めない」という選択も、れっきとした資金管理のひとつです。
この記事では、投資歴8年・資産5,000万円を超えた会社員の僕が、ボーナスの使い道をあえて決めずに置いている理由と、そこから見えてきた考え方を、実体験を交えてお伝えします。
この記事でわかること
- ボーナスの使い道に迷うのが「普通」だと言える理由
- 株高の時期ほど焦りやすくなる心理的なからくり
- 「決められない」と「決めない」の違い
- 迷っているお金を資金管理として言葉にする3つの視点
ボーナスが入っても指が止まる。それ、怠けてるわけじゃないです
正直に言うと、僕もこの数週間、ボーナスの本体には一切手をつけていません。
証券口座のアプリを開けば、7月に入ってからも買付履歴はちゃんと並んでいます。SBIラップで積み立てていた2つのコースを解約して、NISA成長投資枠のFANG+とNASDAQ100の積立に乗り換えたのもつい先日のことです。
なのに、まとまった現金のほうは、あの日からずっと同じ数字のままです。
前回、ボーナスが振り込まれた夜に「何を買うか」より先に「お金の置き場所」を整えた話を書きました。
関連記事はこちらです → ボーナスが入った夜、証券口座を開かない。——僕が最初にやっていること。
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数週間経った今も、正直そこはあまり変わっていません。
もし今、同じように「決められない」自分に少しモヤモヤしているなら、先に伝えておきたいことがあります。
それは、怠けているわけでも、投資に向いていないわけでもないということです。
株高のときほど「動かなきゃ」と焦る、そのからくり
6月に初めて7万円台へ乗せた日経平均は、6月30日に70,062円で引けました。
かと思えば7月2日は半導体株の急落で1,700円超の下落、翌3日は1,000円超の反発——強いのに、めちゃくちゃ揺れる。そんな相場が続いています。
日銀短観でも、大企業製造業の業況判断DIが+22と8年ぶりの高水準まで改善したというニュースが流れていました。景気のいい数字が目に入り、証券口座を開けば含み益も見える。
こういうときほど、気持ちがすっと前のめりになるものです。
「ボーナスも、そろそろ何かに回した方がいいのかな」
その焦りは、決して不自然なものではありません。
むしろ株高の時期ほど、投資をしている人こそ「乗り遅れたくない」という感覚が強くなる気がしています。ただ、その焦りのまま動くことと、焦りを感じながら一度立ち止まることは、似ているようでけっこう違うんですよね。
僕が実際に動いたお金と動かなかったお金
この数週間、何もしていなかったわけではありません。
ただ整理してみると、動いたお金にはひとつの共通点がありました。「もともと行き先が決まっていたお金」だったということです。
SBIラップで積み立てていた2つのコースを解約し、NISA成長投資枠のFANG+とNASDAQ100の積立に乗り換えたのも、手数料のかかるラップサービスから非課税の器へ引っ越しただけ。
ボーナスは一切使っていません。
クラウドバンクで積み立てていたゴールドを約30万円分売却し、そのお金でNASDAQ100をスポット購入したのも同じです。
これも、もともと現金化する予定だったお金の行き先を決めただけでした。
一方で、ボーナスの本体には、まだ一切手をつけていません。
乗り換え先を選ぶだけで判断が済むお金はすぐ動けたのに、真っさらな現金だけが、ぴたりと止まったままなんです。
短期でFXトレードやデイトレをやっていた頃の僕なら、まとまったお金が手元にあるとすぐポジションを持ちたくなっていました。
あの頃の損失は、授業料と呼ぶには高すぎるものでした。今回すぐ動かないのは、その反動なのかもしれません。
「決めない」を資金管理にする3つの視点
数週間かけて考えて、たどり着いたのはシンプルな答えです。
僕は、決められないんじゃなくて、決めないことを選んでいたんです。この考え方を、誰でも使える形に整理してみます。
① 行き先が決まっているお金と、決まっていないお金を分ける
すでに投資に回すと決めていたお金は、器を変えるだけなのですぐ動けます。
一方、まだ何にもなっていない真っさらなお金は、判断のハードルがまったく違うもの。この2つを同じ土俵で比べる必要はありません。
② 生活防衛資金と、使う期限があるかを確認する
生活が回らなくなるわけでもなく、使わなきゃいけない期限があるわけでもないなら、急いで決める理由は薄いはずです。
焦って動かす前に、「本当に今すぐ必要なお金か」を一度確かめてみるといいと思います。
③ 現金を「機会損失」ではなく「選択肢」として見直す
投資の世界では、現金を持っていることを機会損失と呼ぶことがあります。
ただ、僕にとってこの現金は、リターンを逃しているお金というより、オルカンにも教育費にも自宅の修繕にも化けられる、まだ名前を決めていない選択肢でした。
現金の持ち方については、こちらの記事でも詳しく書いています
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「キャッシュレス化したら投資が増えた?サラリーマン投資家が、カード払い→マネーフォワード→ポイント投資の動線設計を具体的…
よくある質問
Q. ボーナスは何ヶ月以内に投資すべきですか?
明確な期限はないと思っています。
生活防衛資金が確保できていて、生活に支障が出ないなら、何ヶ月以内という決まりを自分に課す必要はないはずです。
Q. 現金のまま置いておくのはもったいないですか?
一概には言えません。
すでに行き先が決まっているお金なら早めに動かした方がいいと思いますが、まだ用途が決まっていないお金は、選択肢として持っておくこと自体に意味があると感じています。
Q. NISAの枠が余っているのに投資しないのは損ですか?
枠が余っていることと、今すぐ埋めなければいけないことは、別の話だと思っています。
枠は逃げません。焦って埋めた結果、後から取り崩したくなるくらいなら、埋まるタイミングを待つ方が僕は気持ちが楽です。
Q. 「決めない」と「先延ばし」は何が違うんでしょうか?
「なぜ決めないのか」を自分の言葉で説明できるかどうかだと思っています。
理由もなくただ避けているなら先延ばしですが、理由を持って保留しているなら、それも立派な判断です。
まとめ〜焦らなくていい、でも理由は言葉にしておく
すぐ投資することだけが前向きな判断とは限りません。動かさない理由をちゃんと言葉にできているなら、それもひとつの資金管理です。
僕のボーナスの残高は、今日もまだ同じ数字のままです。ただ、以前より少しだけ、自分の中を覗けた気がしています。
もし今、動かせるのに動かしていないお金があるなら、まずは「なぜ決めていないのか」を一度、自分の言葉にしてみてください。
理由が見えてきた時点で、それはもう「決めていない」ではなく、もう「決めた」ことになっているのかもしれません。
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※本記事はコウ個人の資産管理の考え方をまとめたものであり、特定の金融商品の購入・売却を勧めるものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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