「メガ10」って名前、最近よく見かけませんか?
2025年11月に登場した新しい米国株ファンドで、「Apple抜きの厳選10銘柄」という設計が話題になりました。SNSでも「気になってる」「積立候補に入れようか迷ってる」という声をよく見かけます。
僕自身、設定直後にこのファンドを一度取り上げ、「サテライト資産の中で20〜30%くらいならアリかもしれない」と書いたことがあります。
あれから約7カ月。今回は、実際の運用データを追いながら、僕がこのファンドをどう判断したかを正直にまとめてみます。
この記事でわかること
- メガ10の基本的な仕組みとコスト
- 設定から7カ月の純資産・運用実績の推移
- FANG+・NASDAQ100と比べたときの立ち位置
- 会社員投資家がこのファンドを見送った判断軸
メガ10とは?仕組みをおさらい
本題に入る前に、メガ10の基本設計を簡単に振り返っておきます。
- 設定日:2025年11月4日
- 運用会社:ニッセイアセットマネジメント
- 連動対象:Solactive US Growth Mega 10 Select インデックス
- 信託報酬:年率0.385%(税込)
- 銘柄数:米国の超大型グロース株10銘柄、原則均等配分
- 見直し:年4回。時価総額上位10銘柄を選定(既存銘柄は13位以内なら残留)
似たテーマのファンドに、FANG+(10銘柄・信託報酬0.7755%)とNASDAQ100(約100銘柄・時価総額加重)があります。メガ10は、この2つの「中間」に位置づけられる商品として登場しました。
純資産の推移――急拡大のあと、いま足踏み
まず驚いたのが、ここです。
設定直後の純資産は22.74億円でした。そこから、
- 2026年1月20日:500億円到達(同シリーズで過去最速)
- 2026年2月末:544億円
- 2026年4月末:634億円
- 2026年7月10日時点:597.58億円
設定から2カ月半で500億円というスピード感には、正直驚きました。
ただ7月10日時点の数字を見ると、4月末の634億円からはむしろ減っています。基準価額は4月末の10,598円から7月10日の11,053円へ約4.3%上昇している一方、純資産は約5.7%減少している。基準価額が上がっているのに純資産が減っているということは、この間に受益権口数が1割ほど減った計算になります。値上がりだけでは説明がつきません。
実際、直近1カ月で約40億円規模の資金流出があったというデータも確認できました(2026年7月3日時点)。設定直後の急拡大から、いったん人気が落ち着く段階に入ったと見るのが自然かもしれません。
パフォーマンスをFANG+・NASDAQ100と比較する
次に、実際の運用成績を見てみます。公式月報(2026年5月末時点)によると、
| 期間 | 騰落率 |
|---|---|
| 1カ月 | +4.8% |
| 3カ月 | +15.4% |
| 6カ月 | +6.8% |
| 設定来 | +11.0% |
設定来+11.0%だけ見ると、悪くない滑り出しに見えます。ただ運用開始から1年も経っていないため、1年・3年・5年の実績値はまだ存在せず、「成績が良い・悪い」を判定するにはまだ早い段階です。
気になったので、同じ期間(2026年6月末時点)でFANG+・NASDAQ100と横並びで比較してみました。結果として、10銘柄に集中したメガ10より、銘柄数の多いNASDAQ100の方が大きく上昇していて、FANG+との比較でもメガ10は下回っていました。
「均等加重で特定の1社への偏りを抑える」という設計思想自体は良いと思っていますが、少なくともこの数カ月に関しては、銘柄数が多いNASDAQ100にもFANG+にもリターンで及ばなかったことになります。「設計が凝っている=成績が良い」とは限らない――投資信託を選ぶときに忘れがちなポイントだと感じました。
(NASDAQ100側もこの半年でメソドロジーの変更があったので、あわせて読むと立ち位置の違いがわかりやすいと思います
→ NASDAQ100が変わった。インデックス投資家が知っておきたい3つのルール変更)
NASDAQ100のメソドロジー変更を会社員目線で解説。ファスト・エントリー制度の導入でSpaceXが組み入れられる可能…
銘柄入替ルールは実際に機能しているか
2026年5月末時点の組入銘柄を見ると、情報技術が33.4%で最大ですが、決済(ビザ・マスターカード)や医薬(イーライリリー)も含まれていて、テック一辺倒ではない構成が続いています。
面白かったのが、2025年12月25日の初回見直しです。候補群の時価総額ランキングでは10位にネットフリックスが入っていましたが、既存銘柄のマスターカードが11位で「13位以内なら残留」の条件を満たしたため、入替は行われませんでした。ニッセイの公式資料でも、「時価総額が13位以内だったため、10位のネットフリックスは今回組み入れられなかった」と説明されています。
単純に上位10社を機械的に入れ替えるのではなく、頻繁な売買を抑えるためのバッファが実際に働いている――これは設計通りに機能していると言っていいと思います。
強い企業ほど狙われる――規制・訴訟リスクの今
設定当初、僕は「規制・訴訟リスクもある」と一般論として書きました。7カ月経って、これがかなり具体的になってきています。
アルファベット・メタ・アマゾンには独占禁止法をめぐる問題があり、ビザには決済市場の競争をめぐる訴訟があります。テスラは自動運転支援機能の安全規制、イーライリリーは医薬品の価格や供給政策の影響を受けています(各社の規制・訴訟の状況は、当局発表や各社IR資料等をもとに整理しています)。
業種は違っても、社会への影響力が大きくなった企業ほど、政治や規制の対象になりやすい。構成企業はどれも稼ぐ力が強い会社ばかりですが、「強い企業の集合体」であると同時に「強すぎるために争われる企業の集合体」でもある、というのは7カ月前より実感を持って言えるようになりました。
集中投資特有のこうしたリスクは、今年、別の場面でも似たようなことがありました。SpaceXがNASDAQ100に組み入れられた日、株価が下落した出来事です。
2026年7月7日、SpaceXが正式にNASDAQ100へ組み入れられた日、株価は6.8%下落しました。会社員投資家が…
僕がメガ10を買わなかった理由
ここからは数字の話ではなく、僕自身の判断の話です。
設定当初「サテライト資産の中で20〜30%ならアリ」と書いたのに、実際には買っていません。理由はシンプルで、今の積立はすでにFANG+とNASDAQ100にコツコツ振り分けている状態だからです。
メガ10の構成を見ると、ブロードコム・エヌビディア・アマゾン・アルファベット・マイクロソフト・メタあたりは、どのみち今の積立でも厚めに持つことになる顔ぶれです。ここにさらにメガ10を足すと、「新しい分散先」ではなく「すでに濃い米国グロースをもっと濃くする」だけになってしまいます。
だから正確に言うと「見送った」のではなく、「今の配分で十分濃いので、これ以上重ねない、という判断を続けている」という方が近いです。純資産が増えたか減ったかとは関係なく、似た役割の商品を重ねる必要が今の僕にはない。この判断軸は、7カ月経った今も変わっていません。
米国株への集中度合いをどう考えるかは、以前こちらでも整理しました。
イラン情勢でFANG+やNASDAQ100を売るか迷っている方へ。含み益55万円を抱えながら「売らなかった」投資家(投資…
よくある質問
Q. メガ10は今から買っても遅くないですか?
運用実績がまだ1年に満たないため、「遅い・早い」を判断できる材料自体がまだ十分ではありません。設計は良い商品だと思うので、気になる場合はサテライト枠の一部として少額から検討するのも一つの方法です。
Q. メガ10とFANG+・NASDAQ100はどちらがおすすめですか?
優劣というより「何を主軸として積み立てているか」で決まる話だと思います。すでにFANG+やNASDAQ100を積み立てている人がメガ10を足すと、銘柄の重複が大きくなりやすい点は意識しておきたいところです。
Q. メガ10のデメリットは何ですか?
この記事で見てきた通り、①直近の純資産が伸び悩んでいること②同期間のFANG+・NASDAQ100と比べてリターンが見劣りしたこと③規制・訴訟リスクが具体化してきたこと、の3点が挙げられます。ただしこれは「悪い商品」という意味ではなく、集中投資特有の値動きの荒さや、既存の積立との重複リスクとして捉えるのが適切だと思います。
この判断に至るまでの、もう少し感情的な迷いや自分への突っ込みどころも含めた思考プロセスは、note版の記事で書いています。よければあわせてどうぞ。
まとめ
7カ月経ってみて、メガ10について今言えるのはこのあたりです。
- 純資産は急拡大のあと、直近はやや足踏み(直近1カ月で約40億円規模の資金流出も確認)
- パフォーマンスは、2026年6月末時点でFANG+・NASDAQ100を下回った
- 銘柄入替ルールは、実際にバッファとして機能している
- 規制・訴訟リスクは、この半年で具体化してきた
メガ10が悪い商品だから買わなかったわけではありません。むしろFANG+よりコストが低く、銘柄交代の仕組みもよく考えられています。米国の巨大成長企業を濃く持ちたい人には、魅力のある選択肢だと思います。
ただ、僕はすでにFANG+とNASDAQ100を積み立てています。そこへメガ10を足しても、新しい分散先が増えるのではなく、同じ企業への期待をさらに重ねることになる。メガ10が上がるかどうかと、僕のポートフォリオに必要かどうかは、別の話です。
新しい商品が登場すると、つい「何を買うか」ばかり考えてしまいます。でも、本当に確認すべきなのは、すでに何を持っているかなのかもしれません。
📚 この記事で参照したデータ
- 「ニッセイ・S米国グロース株式メガ10インデックスファンド 月次運用レポート」ニッセイアセットマネジメント(2026年5月末時点データ/随時更新)/2026年8月2日参照
https://www.nam.co.jp/fundinfo/nsbgkm10f/data.html - 「ニッセイ・S米国グロース株式メガ10インデックスファンド」ファンド情報 日本経済新聞社(日経会社情報DIGITAL・随時更新)/2026年8月2日参照
https://www.nikkei.com/nkd/fund/?fcode=2931225B - 「ニッセイ・S米国グロース株式メガ10<購入・換金手数料なし>」基準価額・トータルリターン情報 提供:ウエルスアドバイザー(随時更新)/2026年8月2日参照
https://finance.yahoo.co.jp/quote/2931225B
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このブログのタイトル「かぞくとあおぞら」に込めた想いや、投資で遠回りをしてきた僕の自己紹介を[こちら]にまとめています。
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