積立設定はしたものの、含み益が乗ってくるとふと「このままでいいのかな」と不安になる——そんな瞬間、ありませんか。
実は2026年7月、国債をNISAの対象に加える法案が国会に提出されました。このニュースをきっかけに、「増やしたいお金」と「守りたいお金」をNISA枠の中でどう分けるか、あらためて考えてみました。
この記事では、その判断軸を整理します。
この記事でわかること
- 国債NISA法案の中身と、まだ決まっていないこと
- 個人向け国債とオルカンを5年間シミュレーションで比較
- NISA枠を国債に振り分けるべき人・不要な人の判断軸
- 増やす資産と守る資産を分けて考える僕なりの結論
そもそも「国債をNISAで買う」とはどういうことか
今のNISAは、株式や投資信託といった値動きのある商品が中心です。個人向け国債は今のところNISAの対象外で、買うなら課税口座になります。
そこに、国民民主党が2026年7月10日に提出したのが、通称「国債NISA法案」です。
狙いは大きく2つあります。ひとつは、NISAの選択肢を「現預金か、株式か」の二択から広げること。もうひとつは、個人の国債保有を増やして国債を安定して発行できるようにすることです。家計にとっての話と、国にとっての話が、最初から両方入っている法案だといえます。
ただし、対象となる国債の種類も、どのNISA枠で買えるかも、まだ何も決まっていません。相続税の非課税化も「検討する」段階です。政府は慎重な姿勢を示していて、今の国会中に成立するかどうかも見通しにくい状況です。
なので、ここから先は「もし個人向け国債のような商品がNISAの対象になったら」という仮定で読んでもらえたらと思います。
国債とオルカン、100万円を5年置いたらどうなるか(うちの場合の考え方)
数字で比べてみます。
2026年7月時点で、個人向け国債・固定5年の利率は年1.95%(税引前)です。100万円分を5年間持った場合、税引前の利息合計は約9万7,500円になります。課税口座だと約20.315%が引かれるので手取りは約7万7,700円。NISAで非課税なら、この差額の約1万9,800円がそのまま受け取れる計算です。
一方、オルカンを仮に年6%で運用できたとすると(将来を保証する数字ではありません)、100万円は5年後に約133万8,000円。増えた約33万8,000円にかかる税金が非課税になるので、免除される金額は約6万9,000円になります。国債(元本+利息で約109万7,500円)と比べると、5年後の金額そのものも約24万円多くなる計算です。
| 項目 | 個人向け国債・固定5年 | オルカン(年6%想定) |
|---|---|---|
| 利率・前提 | 年1.95%(税引前・確定) | 年6%(将来を保証しない仮定) |
| 5年後の受取額(概算) | 約109万7,500円 | 約133万8,000円 |
| 非課税による差額(税金の免除分) | 約1万9,800円 | 約6万9,000円 |
僕自身、5月末にSBIラップを解約して、その資金をNISAの成長投資枠に振り替えました。オルカンに約100万円、SBI日本高配当株式ファンドに約40万円という配分です。
あのときも「増やす資産をどこに置くか」という判断でした。国債は、確定した利率を安心材料にできる代わりに、増え方には上限があります。オルカンは増え方に上限がない代わりに、必要なときに相場が下がっている可能性を引き受けることになります。どちらが優れているというより、そのお金をいつ使うかで選ぶものが変わってくるんだと思います。
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NISA枠を国債に振り分けるべき人・不要な人
同じニュースでも、刺さり方は人によって違うはずです。整理するとこんな感じになると思います。
向いていそうな人
- NISA枠を株式だけでは使い切れていない人
- 値動きが怖くて、投資そのものを避けている人
- 1年以上先に使う予定のあるお金の置き場所を探している人
- 増やすことより、減らさないことを優先したい人
優先順位が高くなさそうな人
- NISA枠をすでにオルカンなどの株式で使い切る予定の人
- 10年以上使わないお金を、じっくり増やしたい人
- 値動きを受け入れてでも、長期的な成長を狙いたい人
僕はまだ資産を増やしたいフェーズにいるので、今回は後者側です。「乗り換えたくなる日」をどうやり過ごすかは、以前べつのニュースのときにも考えたテーマです。今回もその考え方が土台になっています。
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僕の場合:オルカンを動かさないと決めた理由
今回のニュースを見て、一度立ち止まって考えました。もし将来、国債がNISAの対象になったとして、コアの一部をそっちに振り替えるだろうかと。
今のところの答えはノーです。理由はシンプルで、教育費の支払いが本格化しているとはいえ、資産形成そのものはまだ「増やすフェーズ」だと判断しているからです。土台にしているオルカンやS&P500は、今の自分の目的にいちばん合っていると思っています。
とはいえ、これは「何もしない」という消極的な話ではありません。
国債という選択肢の中身を確認したうえで、今は動かす理由がないと判断した、というのが正確なところです。配分は「一度決めたら固定」ではなく、その都度確認したうえで維持しています。国債は、資産を守るフェーズに入ったときの選択肢として、頭の片隅に置いておくことにしました。
よくある疑問
個人向け国債は元本割れしないの?
発行から1年経過後であれば中途換金できますが、直前2回分の利子相当額が差し引かれます。満期まで持てば元本は保証されますが、インフレ率が利回りを上回れば、実質的な価値は目減りします。
相続税の非課税化はもう決まったの?
まだ「検討する」という段階です。法案が可決されるかどうか、内容が変わるかどうかは、これからの国会審議次第です。
今すぐ何か行動したほうがいい?
対象商品もどの枠で買えるかも未定の段階なので、急いで動く必要はなさそうです。むしろこの機会に、自分のお金を「増やしたいお金」「守りたいお金」「近く使うお金」に分けて眺めてみるくらいがちょうどいいと思います。
個人向け国債は今すぐ買えるの?
はい、現状のNISA制度とは関係なく、証券会社や銀行の課税口座で購入できます。金利のある世界になったことで、国債自体の魅力は数年前より上がっています。
(このあたりの考え方は、金利が上がったらNISA積立はどうする?住宅ローン持ちパパが考えた「続けるべき理由」でも書いています)
金利上昇で「NISA積立、このまま続けていい?」と不安になったパパママへ。住宅ローン持ちで約8年間積立を続けるパパ投資家…
まとめ:増やす期と守る期で、置き場所は変わる
国債がNISAの対象になるかどうかは、まだ何も決まっていません。それでも、この機会に「増やしたいお金」と「守りたいお金」を分けて考えてみるのは、悪くないと思っています。
僕は今、コアの配分を変えないと決めました。オルカンとS&P500を中心に置き続けるという判断です。そして、いつか資産を増やす時期から守る時期に移るときには、今回知った選択肢をもう一度検討するつもりです。
この判断に至るまでのもう少し感情の入った思考プロセスは、noteのほうに書いています。
📚 この記事で参照したデータ
- 「個人向け国債(固定5年・第184回債)発行条件の決定について」財務省(2026年7月3日公表)/2026年8月2日参照
https://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/houdouhappyou/p20260703.pdf - 「個人向け国債(固定5年)商品概要・中途換金ルール」財務省/2026年8月2日参照
https://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/main/outline/kotei5/ - 「【法案提出】議員立法『国債NISA法案』を提出」新・国民民主党(2026年7月10日公表)/2026年8月2日参照
https://new-kokumin.jp/news/business/20260710_1 - 「国民民主、個人購入の国債をNISAの対象に-法案提出も政府は慎重」Bloomberg(配信:Yahoo!ニュース、2026年7月10日公表)/2026年8月2日参照
https://news.yahoo.co.jp/articles/69ed39dd9de3ed3856752f2a6f0ab928059cf218
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