「最近、相場がなんとなく不安定な気がする……」
そう感じていませんか?
特に悪いニュースがあったわけでもないのに、ふと証券口座を開いたら数パーセント下がっていてあわててニュースを確認する——。そういう経験が、ここ1〜2年で明らかに増えている気がしませんか。
この記事では、その「ざわつき」の正体である
地政学リスクの構造変化をわかりやすく解説します。
そして、僕自身が実践している「不確かな時代の投資の構えかた」を3つお伝えします。
この記事でわかること
- 今の相場が落ち着かない本当の理由(地政学リスクの構造変化)
- 「地経学リスク」という新しい脅威とは何か
- 会社員投資家が今すぐ意識できる3つの対処法
地政学リスクとは?なぜ今の投資家に関係するのか
「地政学リスク」とは、国家間の政治的・軍事的な緊張が経済や金融市場に影響を与えるリスクのことです。
ウクライナ侵攻、米中対立、中東情勢——こうしたニュースを耳にするたびに「自分の積立と何の関係があるの?」と思ってしまうかもしれません。
でも実際には、地政学的な出来事は株価・為替・商品価格に直結します。
特に近年は、その影響が
一時的な急落で終わらず、市場のボラティリティ(価格変動の大きさ)が構造的に高まっているという点が問題です。
その背景にある大きな変化が「パクス・アメリカーナの限界」です。
「米国が世界を守ってくれる時代」が終わりかけている
「パクス・アメリカーナ」という言葉をご存じでしょうか。
第二次大戦後、アメリカが世界秩序の番人として君臨してきた時代のことです。
「米国がいるから各国は安心して自由貿易ができた」「米軍がいるから地域紛争がここまで広がらなかった」——そういう大前提のこと。
PwCをはじめ世界の専門家が今、口をそろえて指摘しているのは
この前提が揺らいでいるということです。
トランプ政権は「米国第一主義」を掲げ、関税という武器で世界のルールを一方的に書き換えようとしています。
中国はその隙を縫って自国の影響力を拡大中。欧州は防衛費を急増させています。
日本でも2026年初、三菱重工やIHIなどの防衛関連株が8%超の大幅上昇を記録しました。
これは単なる「テーマ株ブーム」ではなく、世界の投資家が地政学リスクを本格的に織り込み始めたサインだと思います。
「地経学リスク」——経済が安全保障の武器になった
ここが、今の地政学リスクの最も怖い部分です。
地政学リスクが単なる「戦争のリスク」じゃなくなってきている。
半導体の輸出規制、レアアースの争奪戦、AIの覇権争い——10年前なら「経済ニュース」として処理していたものが、今は「国家の安全保障戦略の一部」として動いています。
経済を武器として使う国家間の対立を「地経学リスク」と呼び、世界の専門家の間では2026年の最大リスクとして位置づけられています。
米中の関税交渉では、アメリカが「レアアースや造船で中国に依存している」という弱点を露呈する場面がありました。
世界最強の経済大国でさえ、こういうことが起きるのが今の時代です。
これが市場に与える影響は、従来の「地政学リスク=株が一時的に下がってすぐ戻る」という単純な話ではなくなっています。
特定セクターや特定地域への集中投資が、予想外の形でリスクになる構造変化が起きています。
「なんとなく相場が落ち着かない」と感じるのは気のせいではありません。
世界の構造自体が変わりつつあり、そのざわつきを市場が先取りしているのです。
2026年3月時点|今の市場はどこにいるのか
現状を整理しておきます。
日本株は「史上最高値からの調整後」という位置にあります。
2025年は前半にDeepSeekショックとトランプ関税で大きく下落し、後半に高市政権誕生を好感して日経平均が史上最高値(52,636円)を更新。
その後AIバブル懸念で調整して年を終えました。2026年3月現在は、その高値圏からの調整局面にいます。
米国株(S&P500)も3年連続二桁上昇のあと、2026年は「インフレ再燃リスク」「FRB議長交代」「AI投資の収益化への疑問」という3つの不確実性を抱えながら一進一退が続いています。
強気の見通しも悲観論も混在している、要は「誰にも読めない」状態です。「今が天井か、まだ上があるか」は正直わかりません。
ただ「こういう不確かな時代がしばらく続く」ということは確信に近い感覚があります。
会社員投資家が今すぐ意識できる3つの対処法
では、地政学リスクが高い時代に、普通の会社員投資家はどう向き合えばいいのか。
僕が実践していることを3つ紹介します。
対処法①|「分からない」を前提に設計する
地政学リスクは、プロのアナリストでも読み間違えることが多い領域です。
「自分なら読める」と思って動くより、
「何が起きても大丈夫な形を維持する」ことに集中するほうが再現性があります。
積立の設定を変えたくなったとき、僕はまず「なぜ変えたいのか」を言語化するようにしています。「なんとなく不安」なら動かない。
「明確に戦略として変えるべき根拠がある」ときだけ動く——このルールを守るだけで、感情的な判断ミスをかなり減らせます。
対処法②|分散を「守り」ではなく「攻めの土台」と考える
全世界株やS&P500を積み立てているのは、「どの国が次に勝つか分からないから全部持つ」という発想です。
地政学的に不確かな時代ほど、特定国・特定セクターへの集中投資のリスクが上がります。
防衛・エネルギー・インフラといったセクターが注目を集めることもありますが、テーマ株として飛びつくよりも、全世界株やS&P500の中にそれらのセクターが含まれているという事実を活かすほうが一般の投資家には現実的だと思います。
分散投資は「もしものときのための守り」ではなく、
「どんな結果になっても積み上げを続けられる土台」として捉えると、長期継続のメンタルが安定します。
対処法③|「怖いから止める」ではなく「怖いから続ける」
これが最も難しく、最も大事な対処法です。
地政学リスクが高まって相場がざわついているとき、積立を止めたくなる気持ちは誰でも生じます。
しかしそのタイミングこそ「安く仕込める機会」でもあります。
2025年4月の急落(トランプ相互関税発表直後)は、結果的には絶好の買い場でした。あの瞬間に積立を止めていたら、その後の上昇を取り逃していたことになります。
とはいえ「怖いときこそ続けよう」と意志の力だけに頼るのは難しい。
だから僕は
「考えなくてもいい仕組み」に頼っています。証券口座の自動積立設定を崩さない——それだけです。
(※仕組みに任せてしまうことで、感情に左右されない投資行動が自然と続けられます。)

① 「分からない」を前提に設計する
まとめ|不確かな時代のぶれない投資の軸
この記事のポイントを振り返ります。
- 今の相場が落ち着かない背景には、「パクス・アメリカーナの限界」という世界秩序の構造変化がある
- 経済を武器として使う「地経学リスク」が特定セクター・地域への集中投資を新たな脅威にしている
- 対処法は「分からないを前提にした設計」「分散投資の継続」「仕組みで続ける自動積立」の3つ
「正解を当てる投資」ではなく、「どんな結果になっても死なないポートフォリオを積み上げる」こと。
それが普通の会社員投資家の地道だけど一番再現性のある答えだと思います。
投資歴8年目、資産5,000万円目前で現在進行形。
まだまだ途中の話ですが、同じ立場の方に少しでも参考になれば嬉しいです。
※この記事は特定の金融商品の推奨ではありません。投資は自己判断・自己責任でお願いします。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
このブログのタイトル「かぞくとあおぞら」に込めた想いや、投資で遠回りをしてきた僕の自己紹介を[こちら]にまとめています。
もしよろしければ、少しだけ覗いていただけると嬉しいです。
