3月に入った途端、相場の空気が一変しましたね。
週末のニュースで「米国・イスラエルがイランを攻撃」と知ったとき、月曜の朝が少し憂鬱だった方も多いんじゃないかと思います。
僕も月曜の仕事前に「今週どうなるんだろう…」とため息をついた一人です。
結果として、日経平均は週半ばに一時5万3,000円台まで突っ込む場面があり、週全体では-3,229円(-5.5%)と今年最大級の下落になりました。
でも、今週の相場をひとことで言うなら——
全部が崩れたわけじゃない。急落の中でも"逃げ場所"はちゃんとあった一週間
だったと思っています。
仕事も育児も忙しくて、チャートを1日中眺めることなんてできない。
でも、積立やポートフォリオのことが頭から離れない——そんなパパママ投資家に向けて、今週の市場で「本当に押さえるべき3つのこと」を整理しました。

週末時点の市況と来週の注目イベント
この記事でわかること
- 今週の日本株・米国株で何が起きていたか(日々の数字つき)
- 「全面安でも逃げ場所があった」という相場の構造
- 忙しいパパママでも使える相場の読み方チェックリスト3点
- 来週どこを見れば相場の空気がわかるか(5分で確認できるポイント)
この記事に出てくる用語を先にチェック✨
投資の記事って、知らない言葉が出てくるだけで一気に読む気が失せますよね。
ここで今週の記事に登場する用語を先にざっくり整理しておきます。「知ってる」という方は読み飛ばしてくださいね。
📌 日経平均(にっけいへいきん)
東京証券取引所に上場している代表的な225銘柄の株価を平均した数値。
「日本株の体温計」みたいなもの。テレビのニュースで「今日の日経平均は〇〇円」と言っているアレです。
📌 TOPIX(トピックス)
東証プライム市場に上場する全銘柄を対象にした株価指数。
日経平均が225銘柄の「平均点」なら、TOPIXはプライム市場全体の「通知表」。
日経よりTOPIXが強い週は、大型株以外にも幅広く買いが入っているサインです。
📌 WTI原油(ダブリュー・ティー・アイ)
アメリカ産原油の価格指標。国際的な原油相場の目安として広く使われています。
原油が上がると、輸入に頼る日本では電気代・ガソリン代・製造コストに影響が出やすい。
「原油高=家計に重し」と覚えておくとわかりやすいです。
📌 VIX(ビックス)
「恐怖指数」とも呼ばれる米国株のボラティリティ指数。数値が高いほど投資家が「相場が荒れそう」と感じている状態。
20を超えると警戒、30を超えると市場がかなり不安定な局面といわれています。
今週は対話姿勢の報道で低下しました。
📌 FRB(エフ・アール・ビー)
米国の中央銀行にあたる「連邦準備制度理事会」。日本でいう日本銀行のポジション。
金利を上げたり下げたりして景気とインフレをコントロールする役割を持ちます。
「FRBが利下げする」というニュースは株にとってはおおむね追い風です。
📌 利下げ・利上げ
FRBや日銀が政策金利を下げる/上げること。
利下げ=お金が借りやすくなる=企業が投資しやすくなる=株が上がりやすいという連鎖が基本の理屈。
ただ今週のように「インフレが怖いから利下げできない」という状況ではこの連鎖が崩れます。
📌 リスクオフ(risk off)
投資家が「怖い」と感じてリスクのある資産(株など)を売り、安全資産(国債・金・円など)に逃げる動き。
「リスクオフが進む=株が売られる」と覚えておけばOKです。逆は「リスクオン」。
📌 スタグフレーション(stagflation)
「景気が悪いのに物価が上がる」という最悪のコンボ。不況(stagnation)+インフレ(inflation)を合わせた造語です。
景気が悪ければ利下げしたいけど、物価が上がっていると利下げするとさらにインフレが加速するかもしれない——FRBが動けない状態になります。
今週の市場が一番警戒したシナリオです。
📌 セクター(sector)
業種・業界のこと。「銀行セクター」「半導体セクター」「防衛セクター」のように使います。
相場が急落したとき「どのセクターが上がっているか」を見ると資金の流れと市場のテーマが読めます。
📌 メジャーSQ(エス・キュー)
3・6・9・12月の第2金曜日に行われる先物・オプション取引の決済日。
この前後は機関投資家の売買が大きくなりやすく、株価が急に動くことがあります。
「SQ通過後に落ち着く」というパターンが多いです。
📌 CPI / PCEデフレーター
どちらも「物価の上がり具合」を測る指標。CPI(消費者物価指数)は総務省(米国はBLS)が毎月発表する消費者が払う価格の変化。
PCEデフレーターはFRBが特に重視する物価指標です。
数値が予想より高いと「インフレが続いている=利下げしにくい」と市場が反応します。
📌 ホルムズ海峡
イランとオマーンの間にある海峡。世界の原油輸送の約2割がここを通るとされています。有事でここが封鎖されると原油の供給が絞られ、価格が急騰するリスクがある。
今週の原油高の背景にあったのが、この海峡封鎖への懸念でした。
今週の日本株 急落→反発でも資金の”行き先”は変わらなかった
まず今週の日経平均の動きを振り返っておきます。
| 日付 | 終値 | 前日比 | 売買代金 |
|---|---|---|---|
| 3/2(月) | 58,057円 | -793円(-1.4%) | 8.6兆円 |
| 3/3(火) | 56,279円 | -1,778円(-3.1%) | 9.8兆円 |
| 3/4(水) | 54,245円 | -2,033円(-3.6%) | 10.6兆円 |
| 3/5(木) | 55,278円 | +1,032円(+1.9%) | 9.1兆円 |
| 3/6(金) | 55,620円 | +342円(+0.6%) | 7.4兆円 |
週前半の3日間で合計▲4,605円という大きな下げでした。
特に水曜日は売買代金10.6兆円と今年でもトップクラスの高水準。それだけ多くの人が「どうしよう」と売買に動いた日だったといえます。
ただ、ここで一つ気づいてほしいのが「何が下がって、何が下がらなかったか」です。
全33業種のうち31業種が下落した一方で、
鉱業(INPEX等)は大幅高、海運(川崎汽船等)も上昇しました。
防衛関連(三菱重工など)にも資金が向かい、今週の株探・投資テーマ検索1位は「防衛」でした。
つまり、
全面安に見えても資金が完全に逃げたわけじゃない。 逃げた資金の一部は、「有事に強い」セクターへ移っていたんですよね。
これ、後で解説する「チェックリスト①」に直結するポイントです。
今週の米国株 雇用統計も加わり”インフレ×景気”の両にらみへ
米国は今週、相場を動かす材料が重なりすぎた一週間でした。
- 月〜火:中東リスクで急落→ハイテクが下支えして持ち直し
- 水:イランの対話姿勢を伝える報道で一時反発、VIX低下
- 木:原油が再上昇してリスクオフ再燃。エネルギー以外は重い
- 金:2月の米雇用統計が弱い結果に。ダウは前日比784ドル安(−1.6%)で大幅下落
週末の雇用統計については少し補足します。
雇用が弱い→景気不安→FRBは利下げしやすくなる→株に追い風…というのが「教科書的な読み方」です。
でも今週の金曜は、雇用が弱い発表があったのに株が下がりました。
それはなぜかというと、
原油高によるインフレ再燃の懸念が同時に存在しているからです。
「景気が悪い×物価も上がる」というスタグフレーション的なシナリオへの警戒が生まれると、利下げしたくてもできないという話になる。
だから株にも素直に追い風にならない。
この「金利が下がっても株が喜ばない」という状況、今週の米国株の一番大事な変化点でした。
相場チェック3点セット
毎日チャートを追うのは無理。でも何も見なければ不安が増すばかり。
前回の記事でも「見る順番を固定する」が大事と書きましたが、今週の相場を踏まえてアップデートします。
チェック① 急落中は「何が逆行高か」を確認する
相場が大きく崩れたとき、「全部ダメだ」と感じるのは自然な反応です。
でも実際には、どんな急落でもどこかに「逃げた資金の行き先」があります。
今週なら防衛・鉱業・海運がそれ。
「有事=資源・防衛に資金が向かう」という市場の法則を確認できた週でした。
実践:今後も大きな下げの日は、翌朝「何が上がっていたか」だけ確認してみてください。
相場のテーマが見えてきます。
チェック② 「金利低下」の理由を1行だけ確認する
金利が下がった → 株に良いとは限りません。
今週金曜のような「景気不安で金利が下がった」ケースは、むしろ株の売り材料になることもある。
- 利下げ期待(安心)で金利低下 → 株は戻りやすい
- リスクオフ(景気不安)で金利低下 → 株は一緒に弱い
ニュースで「金利が低下しました」と流れたとき、その1行後の「なぜ」を確認する習慣がつくと相場の読み方がぐっと変わります。
チェック③ 毎朝5分、この順番で見る
前回記事から引き続き有効な「見る順番」の固定化です。
- 原油価格
👉 中東情勢が続くうちは特に重要 - 米10年債利回り
👉 上がっているか、下がっているか - ドル円
👉 今週は157円台が中心 - 日経・TOPIXの強弱比較
👉 どちらが強いか - 半導体セクターの戻り具合
👉 アドバンテストやキオクシア等
この順番で眺めるだけで、「今日の地合いがどっちか」の感覚がつかめます。
為替と金利 円安は続いているが「手放しで喜べない」週だった
ドル円は今週も157円台中心で推移し、円安基調は変わりませんでした。
円安は日本の輸出企業にとって追い風になりやすいのですが、今週はそれだけで安心できない状況でした。
原油高が続くと、日本は原油を輸入するコストが上がる。
円安+原油高が重なると、輸入コストの上昇が企業業績や家計を圧迫する「交易条件の悪化」につながります。
日本はエネルギーの多くを輸入に頼っているので、中東リスクは「遠い話」ではなく「家計への直接影響」がある話として見ておきたいところです。
来週の注目ポイント 空気を変えるのはこの4点
来週の最大の焦点は、引き続き中東情勢の行方です。
攻撃開始から1週間が経つタイミングで、「短期で終わるのか、長期化するのか」の判断材料が増えてきます。
原油・金利・株の連鎖がどう変わるか、週明けの動きに注目です。
経済指標面では、
米CPI(11日)と米PCEデフレーター(13日)が特に重要。
「利下げ期待が戻るか」の分水嶺になりそうです。
原油高でインフレが上ぶれていれば、FRBは動きにくくなる。逆に落ち着いていれば、市場に少し安心感が戻るかもしれません。
国内ではメジャーSQ(13日)前の需給変動にも気をつけたいところ。
先物が大きく動いた週の翌週ですので、SQ通過後に地合いが落ち着くかどうかも見どころです。
📝 今週の相場をもっと深く読みたい方へ
今週の市況と「急落時の投資家心理・対処法」について、noteでもう少し詳しく書いています。
チャートの数字の裏にある「相場の空気の変わり目」を、コウの目線でまとめています。
→ noteで読む
まとめ 急落の週ほど、自分の「軸」を確認する時間にしよう
今週は数字だけ見れば、「今年最大級の急落」でした。
でも、週後半には押し目買いが入って底堅さも確認できた。
企業の業績が急に悪くなったわけでも、日本経済の構造が壊れたわけでもありません。
中東という外部要因が、一時的に市場全体の空気を変えた——それが今週の本質だと思います。
こういう週は焦って動くより、
自分の積立設定を確認して「何もしなくていい」と確かめるのが一番の正解だったりします。
僕自身も、今週は追加でポートフォリオを触ることはしませんでした。
「何もしない」も立派な判断だと、8年の投資経験から思っています。
来週も焦らず、淡々と。家族のための資産づくりを続けていきましょう!
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
このブログのタイトル「かぞくとあおぞら」に込めた想いや、投資で遠回りをしてきた僕の自己紹介を[こちら]にまとめています。
もしよろしければ、少しだけ覗いていただけると嬉しいです。
