家族のために投資を始めたけど、買ったまま放置している資産が増えてきた——そんな感覚、ありませんか。
積み立てて、買って、また積み立てて。
そうやって少しずつ増やしてきたはずなのに、ある日ふと口座を眺めたとき「なんでこれ持ってるんだっけ」と思う商品が一つや二つ、出てくるんですよね。
この記事では、投資歴8年・資産5,000万円超の会社員投資家である僕が、課税口座で保有していたSBIラップとゴールドを手放してNISA成長投資枠へ移すことを決めた経緯とその判断の根拠を正直に書いています。
この記事でわかること
- 課税口座に「なんとなく安心」で持ち続ける資産の問題点
- 「良い商品かどうか」と「今の自分に必要かどうか」は別の問いだという考え方
- 非課税枠(NISA)を優先すべきかどうかの判断ポイント
- 売却タイミングの決め方(相場を当てにいかない考え方)
- ポートフォリオを「整える」ことが資産形成のひとつである理由
「良い商品」と「今の自分に必要な商品」は別の話
投資を始めて間もない頃、AIが自動で運用してくれるという仕組みには素直にワクワクした記憶があります。
寝ている間も相場を見てくれる。積立設定さえしておけば、あとはお任せ。そのシンプルさに惹かれてSBIラップへの毎月積立を始めました。
ただ、数年後にふと立ち止まって考えたとき、「今の自分にとってベストな置き場所か」という問いを立てられていなかったことに気づいたんですよね。
NISA成長投資枠がまだ余っている状態で、課税口座に毎月2万円を積み立て続けること。
これを自分の言葉で説明しようとしたとき、うまく説明できなかったんです。
それが「整理のサイン」だったんだと思います。
AIに任せる安心感と自分で説明できるシンプルさ——今の僕が優先したいのは後者でした。
誤解のないように補足しておくと、AI投資そのものを否定しているわけじゃありません。WealthNaviは今も保有を続けています。ポイントは「良い商品かどうか」ではなく、「今の自分の優先順位に合っているか」という問いです。
お守りは増えすぎるといつの間にか荷物になる
ゴールドの場合は、もう少し感情的な話でした。
他の投資案件から分配金や償還金が戻ってくるたびに「現金で置いておくよりゴールドにしておこう」という判断を積み重ねていたんです。
有事に強い、インフレヘッジになる——そういう理由も確かにある。積み上がっていくゴールドを見ながら、なんとなく安心感があったのも正直なところです。
でもあるとき、こんな問いを立ててみました。
「その安心感って、何に対する安心なんだろう?」
たぶん、「株だけでは不安。円だけでも不安。だから守りの資産も少し持っておきたい」という気持ちだったと思います。資産全体にお守りを忍ばせているような感覚とでも言えばいいでしょうか。
ただ——お守りって、増えすぎるとカバンが重くなるだけなんですよね。
ゴールドは配当も分配金も生みません。値上がり益を課税口座で受け取れば、約20%は税金で持っていかれる。
分配金や償還金を受け取るたびに積み立てていたお金が、非課税の枠を使えないまま課税口座に眠っている。
そう気づいたとき、「優先順位が逆じゃないか」という感覚が出てきました。
ゴールドとオルカンは役割が違います。
有事の値動きやインフレへの耐性という意味でゴールドにはゴールドの強みがある。ただ、今の僕にとっては「守りの資産を少し持つこと」よりも、「非課税で長期運用できる土台を太くすること」の方が優先でした。
安心感がコストや機会損失を見えにくくさせていた——それに気づくのが少し遅れたという話です。
「今売っていいのか」という迷いとの付き合い方
売ろうと決めてからも、迷いは出てきます。
もう少し待てば上がるかもしれない。売った直後に上がったら悔しい。これは投資家なら誰でも感じる感情だと思います。
ただ今回は、相場を当てにいく売却じゃない。価格の高い安いではなく、
資産の置き場所を整えるための売却——そう整理したら、迷いが少し軽くなったんですよね。
タイミングの良し悪しを考えるのは「相場で稼ぐ」ときの話。
「非課税枠に移すために置き場所を変える」のであれば、少し値段が違っても大きな意味はない。長期で考えると、税制優遇の差の方がずっと大きい。
そう自分に言い聞かせることで、「完璧なタイミングを待って動かない」という落とし穴を避けられたかなと思っています。
課税口座と非課税口座(NISA)の違いについて、もう少し詳しく確認したい方は、こちらの記事も参考になるかもしれません。
→ 特定口座の配当金、確定申告すべき?しなくていい?判断フローを会社員投資家が解説
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NISAで何を買うか——オルカンと「心の配当」の話
売却後にNISA成長投資枠で買う予定にしているのは、オルカンと日本の高配当系ファンドです。
オルカンは資産形成の土台。どの国が勝つかを当てにいくんじゃなくて、世界経済全体の成長に乗り続けるための場所として、ここに厚みを持たせることに迷いはない。
一方、高配当系は——合理性だけで選んでいるわけじゃないというのが正直なところです。
配当や分配の通知が届くたびに、ちょっとだけ気持ちが上がるんですよね。
相場が荒れている時期でも「配当は入ってくる」ということが、長期投資を続けるための心理的な支えになってくれる。僕はそれを勝手に「心の配当」と呼んでいます。
インデックス一本に絞った方が合理的という意見はよくわかります。
ただ、投資は続けることがいちばん大事で、続けるためには自分のメンタルと合う形にしておくことも、かなり重要なんだと思っています。
数字だけで見ればもっと合理的な選択肢はあるかもしれない。でも合理性だけで続けられるほど、人間はロボットじゃない(笑)
オルカンで土台を作りながら、高配当で手触り感のある利益も少しだけ残す。今の僕には、そのバランスがしっくり来ています。
NISA 8年間の記録と、インデックス投資に切り替えた経緯についてはこちらでまとめています。
→ 【実績公開】NISA積立8年間の記録。失敗からシンプルな2本運用に絞るまで
NISA積立約8年・会社員ITエンジニアが、個別株での失敗からオルカン+S&P500の2本に絞るまでの全経緯を実績数字つ…
ポートフォリオを「増やす」より「整える」という視点
投資は、買うよりも手放すときの方が、自分の考えが見える気がします。
何を信じているのか。何に不安を感じているのか。どんな形なら、これからも続けられるのか——手放す瞬間に、そういうものが全部出てくる。
SBIラップもゴールドも、僕にとっては必要な寄り道でした。
始めたからこそわかったことがあるし、持っていたからこそ見えてきたものがある。だから過去の判断を否定するつもりはありません。
でも今は、その寄り道で得たものを持ったまま、少しだけ道を整えるタイミングに来た——そんな感覚です。
資産形成は「増やすこと」だけじゃない。ときどき立ち止まって、持ちものを見直す。昔の自分が選んだものを、今の自分の目で見直す。
そして、これからの自分に合う形へ整えていく。その作業も、立派な資産形成の一部だと思っています。
もし課税口座に、昔なんとなく買ったままの商品があるなら——いきなり売らなくていいです。ただ、一度だけ問い直してみてもいいかもしれない。
「これは今の自分にとって、まだ必要な資産だろうか」
「新NISAの枠より優先して持つ理由を、自分の言葉で説明できるだろうか」
答えがすぐ出なくてもいい。その問いを持つだけで、ポートフォリオの見え方は少し変わる気がします。
📝 この記事のテーマをもっと深く知りたい方へ
ゴールドを手放す判断に至るまでの思考プロセスや、「なんとなく安心」で持ち続けるリスクについて、noteでより詳しく書いています。
→ 「なんとなく安心」で持っていた資産を売ることにした話(note)
まとめ——今日だけ、口座を一度眺めてみてください
今回の記事でお伝えしたかったことを、最後に整理しておきます。
課税口座に眠っている「なんとなく安心」な資産は、今一度見直す価値があります。
理由は3つ。良い商品でも今の自分に必要かどうかは別の問いであること、非課税枠(NISA)を使えないコストは長期で見ると意外と大きいこと、売却のタイミングは相場じゃなく自分の優先順位で決めていいこと——この3点です。
整理は一度でなくていい。ポートフォリオは「育てるもの」であると同時に、「整えるもの」でもあります。
家族のために積み上げてきた資産が、10年後により良い形で実を結ぶように。焦らず、でも一度だけ、口座を眺めてみてください。
※本記事は個人の投資記録と考え方をもとに作成しています。特定の商品や投資行動を推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。判断はご自身の状況や目的に合わせて行ってください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
このブログのタイトル「かぞくとあおぞら」に込めた想いや、投資で遠回りをしてきた僕の自己紹介を[こちら]にまとめています。
もしよろしければ、少しだけ覗いていただけると嬉しいです。