「iDeCoの上限が引き上げられるらしい」というニュースを目にして、久しぶりに会社のDCポータルにログインしました。
NISAは早めに使い始めたし、資産形成には8年間それなりに向き合ってきたつもりだったんですが、自分のiDeCo枠を一度もちゃんと確認したことがなかった。
正直、ちょっと恥ずかしい話です。
「DCがある会社はiDeCoは関係ない」——そんなふわっとした思い込みで、ずっと後回しにしてきたんですよね。
同じように感じている方、けっこういるんじゃないかと思います。
この記事では、企業型DCがある会社員が「自分はiDeCoをいくら使えるのか」を確認するための手順と、実際に画面を開いてみて気づいたことを書いています。
この記事でわかること
- 2026年12月から始まるiDeCo上限引き上げ改正の内容構造
- 企業型DCがある会社員のiDeCo拠出可能額の計算方法
- DCポータルでの確認ステップと「確認すべき3つの数字」
- 子育て世帯に特有のNISAとiDeCoの優先順位の考え方
iDeCo上限引き上げ、2026年12月に何が変わる?
まず制度の話を簡単に整理しておきます。
iDeCo(個人型確定拠出年金)は毎月自分で掛け金を積み立て、老後に受け取る私的年金の仕組みです。
節税という観点ではNISAより強力な面もあって、掛け金の全額が所得控除になる点が最大の魅力です。
所得税と住民税が直接減るので、年収が高い人ほど恩恵が大きい。
ただ、企業型DCやDBなどの企業年金がある会社員の場合、使える枠は複雑な計算式で決まります。
現行制度では「企業型DCの掛け金 + 他の企業年金相当額 + iDeCo掛け金」を合算した上限が月5.5万円と設定されています。
この上限が2026年12月から月6.2万円に引き上げられる予定です。
制度の施行は2026年12月からとされていますが、実際の手続きや反映タイミングは金融機関や勤務先の案内によって異なります。
手続きは早めに確認しておくのが安心です。
「では自分はどこまで使えるのか」——その答えは、会社が毎月いくら積み立ててくれているかによってかなり変わります。
ここが「企業型DCがある人にとってのiDeCo」のわかりにくさの核心なんですよね。
「DCがあるからiDeCoは関係ない」は思い込みかもしれない
企業型DCがある会社に勤めていると、iDeCoに対して一種の先入観が生まれやすいと思います。
「どうせ枠が被るから使えないんでしょ」「DCがあれば十分じゃないか」「手続きも面倒そうだし」——そういう理由を積み上げて後回しにしている方、実は少なくないんじゃないかと。
僕もずっとそうでした。
「DCがある人はiDeCoをあまり使えない」というのは大筋で正しいんですが、「あまり使えない」と「まったく使えない」は全然違うし、「改正後に余地が出てくる」ケースもあります。
なんとなくのまま放置していると、自分の実際の状況が見えない。
今回の改正ニュースを見て、初めてそれを自覚しました。
8年間投資を続けてきて、自分のiDeCo枠すら把握していなかったというのは冷静に考えると少し驚きでした。
会社員が確認すべき3つの数字
DCポータルを開いて、「iDeCo拠出可能見込額」のページを探してみてください。多くの企業型DCポータルには、この数字が計算された形で表示されています。
そこに出てくる数字は、次の3つで構成されています。
① 企業型DCの事業主掛金額
会社が毎月積み立ててくれている金額です。
ここが大きいほど、iDeCoに使える余地は小さくなります。給与明細や会社のポータルで確認できます。
② 他制度掛金相当額
確定給付型の企業年金(DB)などがある場合に関係してくる数字です。
社内の人事部や会社のポータルで「自分の会社にDBはあるか」を確認してみてください。
③ iDeCo拠出可能見込額
①②を差し引いて残った枠がこれです。
この金額が月5,000円未満だと、iDeCoの最低拠出額に届かないため、実質的に加入できません。
計算式にするとこうなります。
確定拠出年金の拠出上限額(現行:55,000円)
- 他制度掛金相当額
- 企業型DCの事業主掛金額
= iDeCo拠出可能見込額
この3つを把握すれば「今の自分はiDeCoを使えるのか」「改正後に余地が出てくるのか」がかなりクリアになります。
画面を開いたら、0円だった話
僕自身の結果を正直に書きます。
DCポータルにログインして確認した数字はこうでした。
- 確定拠出年金の拠出上限額:55,000円
- 他制度掛金相当額:26,000円
- 企業型DCの事業主掛金額:29,000円
- iDeCo拠出可能見込額:0円
会社が積み立ててくれている金額がちょうど上限いっぱいになっていた。余地ゼロ。
「加入できません」という判定でした。
正直、笑いました。
「やっぱりそうか」という感覚と「でも確認できてよかった」がちょうど半々くらいで。
「もしかしたら少し余地があるかも」と思っていたのに、蓋を開けたら完全にアウト。
でもこれは、確認するまで本当にわからなかったんですよね。
「なんとなく使えない気がしている」と「実際に確認して枠がゼロだった」は情報の質がまったく違います。
後者になって初めて、次に何を考えればいいかが見えてくる。それだけでも、ポータルを開く価値があったと感じています。
改正後(2026年12月〜)はどう変わるか
同じ数字で改正後の計算をしてみると、こうなります。
確定拠出年金の拠出上限額(改正後:62,000円)
- 他制度掛金相当額:26,000円
- 企業型DCの事業主掛金額:29,000円
= iDeCo拠出可能見込額(改正後):7,000円
7,000円の余地が生まれました。
最低拠出額の5,000円を上回っているので、一応「加入できる」状態にはなります。
月7,000円のiDeCoを始めるかどうか——節税効果で言えば、年間84,000円が所得控除の対象になります。
税率20%の場合、年間約16,800円の節税です。月に換算すると1,400円くらい。悪くはない数字だと思います。
ただ、iDeCoには口座管理手数料もかかりますし、60歳まで引き出せないという制約もあります。NISAと違って流動性がまったくない。
「月7,000円のために口座を新たに開設して管理する負担が、今の自分の状況に合っているか」——そこはもう少し考えてから判断したいところです。
子育て世代のNISAとiDeCo、どう優先すべきか
制度の話だけで終わらないよう、子育て世代としての僕なりの考え方を少し書いておきます。
結論から言うと、僕は今のところNISAを優先する方針です。
理由はシンプルで、老後より前に必要なお金があるからです。
子どもの教育費、生活防衛資金、もしかしたら住宅の修繕費。これらは60歳より前にかかってくる。
そう考えると、60歳まで一切引き出せない口座にお金を縛り付けることは、子育て世帯にとって意外と大きなリスクになりうる。
iDeCoの節税効果は本物で強い制度です。でも「流動性ゼロ」という制約は、ライフステージによっては無視できない。
だから僕の場合は「流動性があるNISAを土台にして、その上でDCやiDeCoを考える」という順番が今の状況に合っていると感じています。
ただ、これはあくまで僕の家庭の話です。
年収・家族構成・住宅ローンの有無・ライフプランによって、最適な順番は変わります。節税効果の大きさだけで考えれば、iDeCoを先に使う判断が正解になるケースも十分にあります。
大事なのは「なんとなくDCがあるからiDeCoは関係ない」で思考停止せずに、一度自分の枠を確認してから考えること。
そこが出発点だと思います。
まとめ〜まず「自分の数字」を知ることが最初の一歩
改めて整理します。
- iDeCoの拠出上限は2026年12月から月6.2万円に引き上げ(現行5.5万円)
- 企業型DCがある人の枠は「上限 - 他制度掛金相当額 - 事業主掛金額」で計算
- 確認はDCポータルの「iDeCo拠出可能見込額」ページから
- 枠が5,000円未満だと加入不可。ゼロでも確認の価値はある
- 子育て世代はNISAの流動性を優先した上でiDeCoを検討するのも一つの考え方
今の時点でiDeCoの自分の枠を確認したことがない方は、ぜひ一度だけDCポータルを開いてみてください。
0円だったら、僕と同じです(笑)
余地があれば、そこから考えればいい。どちらにしても、自分の数字を知ることは確実に前に進んでいます。
地味な一歩ですが、数年後の安心はこういう確認の積み重ねから生まれていくと、8年続けてきてそう思います。
📝 この記事のテーマをもっと深く知りたい方へ
iDeCo改正の詳細や、実際にDCポータルで確認してみた僕の体験をnoteにも書いています。
→ iDeCoの上限が上がると知って会社のDC画面を開いたら「0円」だった話(note)
免責事項
この記事は個人の体験と情報収集に基づくものであり、投資・税務上の助言を目的としたものではありません。制度の詳細や個別の判断については、金融機関や税理士等の専門家にご確認ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
このブログのタイトル「かぞくとあおぞら」に込めた想いや、投資で遠回りをしてきた僕の自己紹介を[こちら]にまとめています。
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