今から7年前、2018年のことです。
仕事から帰ると、まだ小さかった子供がトタトタと寄ってきて、心配そうにこう聞きました。
「パパ、お仕事たいへん?」
僕はとっさに「ううん、大丈夫だよ」と笑って頭を撫でましたが、心の中は全然大丈夫じゃありませんでした。
当時はシステムエンジニアとしての仕事に追われる毎日。転職して給料は少し上がったものの、なぜかお金は貯まらない。
趣味のカメラや車、家族旅行にお金を使い、「今が楽しければいい」と見て見ぬふりをしてきたツケが、子供の成長と共に「教育費」や「老後資金」という現実的な不安となって押し寄せてきていました。
「このままで、家族を守れるんだろうか」
そんな、血の気が引くような焦りが、僕を投資の世界へと突き動かしました。
ビギナーズラックと「迷走」
最初は千円からできる「One Tap Buy」でした。
自分のスマホに有名企業のロゴが並び、数百円が増えただけで「おー、増えてる!」と感動したのを覚えています。
「お金が働いてくれる」という感覚を初めて知った瞬間でした。
でも、人間とは欲深いもの。
「もっと早く、もっと大きく増やしたい」
そんな焦りから、僕は“やってはいけない道”へと足を踏み入れてしまいました。
知識もないまま手を出した、個別株の短期売買やFX。
仕事中もトイレに駆け込んでチャートを確認し、夜は子供が寝静まった後に、赤や緑に点滅する画面を睨みつける日々…。結果は惨敗でした。
大切なお金を減らしただけでなく、何より精神が摩耗しました。
家族と過ごしていても、上の空で相場のことを考えている。
「家族を守るために始めたはずなのに、これじゃ本末転倒じゃないか」
そう気づいた時、僕は一度、立ち止まりました。
仕事と投資の「好循環」への気づき
そこから僕は、「地味で退屈な投資」へと舵を切りました。
一発逆転は狙わない。
インデックスファンドやロボアドバイザーに任せて淡々と時間を味方につけるスタイルです。
すると不思議なことに、本業の仕事にも変化が訪れました。
短期的な値動き(=目先のトラブル)に一喜一憂せず、長期的な視点で資産(=プロジェクトやチーム)を育てる。
投資で学んだこの視点は、管理職への昇進という形でキャリアを押し上げてくれました。
「大変そう」と逃げていた管理職を引き受けたことで収入も増え、それがまた投資への「入金力」となる。
あんなに焦ってチャートにかじりついていた頃よりも、どっしりと構えた今の方が資産は着実に増えていったのです。
嵐を抜けた先に見える景色
あれから7年。
よちよち歩きだった子供たちは、大学生と中学生になりました。
教育費のピークはまさに今ですが、あの時のような「見えない怪物に追われるような不安」はありません。
失敗や遠回りを経て積み上げた資産は6,000万円を超えて、僕と家族を支える「お守り」になってくれました。
今、迷っているあなたへ
もし今、あなたが仕事と育児の狭間で「お金の不安」や「投資の失敗」に心を痛めているとしたら。
かつての僕のように「もう辞めたい」と思っているとしたら。
大丈夫です、と伝えさせてください。
最初から上手くいく人なんていません。僕も派手に転んで、遠回りをしてやっとここにいます。
チャートを見る時間を、今日はお子さんと話す時間に使ってください。
投資は「地味」でいい。その代わり、長く続けてください。
なぜなら、途中で投げ出さず、ただ淡々と「時間」さえかければ、投資は決してあなたを裏切らないからです。
短期的な嵐で振り落とされそうになっても、大丈夫。
「時間」という最強の味方が、ゆっくりと、でも確実にあなたの資産を育ててくれます。
今日踏ん張ったその一歩が、数年後にきっとあなたと家族を笑顔にしてくれるはずです。