先日、スマホで証券口座を確認したら、保有する高配当株の含み益がまた少し増えていました。
日経平均は一時6万円台半ばを超えて、数年前には想像もしなかった水準まで来ています。嬉しいことは嬉しい。
でも同時に、こんな疑問が頭をよぎったんですよね。
「この株価水準で、今から高配当株を買い増してもいいんだろうか」と。
以前は利回り4〜5%で買えていた銘柄が、今は3%台になっている。
「買い増す気になれないな」——そんな感覚を持っているパパママ投資家のかたは、けっこういるんじゃないでしょうか。
この記事では、僕自身の保有銘柄の実際のデータをもとに、高株価時代の高配当株との向き合い方を整理してみます。
この記事でわかること
- 株価が上がると高配当株の利回りが「薄まる」仕組みと、その対処法
- 長期保有者だけが持てる「YoC(取得利回り)」という視点と実際の数字
- 高株価時代に高配当株を選ぶときの3つの判断軸
利回りが「薄まる」のは当たり前の話——でも気持ちが追いつかない
まず基本から確認しておきます。
高配当株の利回りは、こういう計算式になっています。
配当利回り = 年間配当金 ÷ 株価 × 100
つまり、年間100円の配当を出す銘柄の株価が2,000円なら利回りは5.0%。でも株価が3,000円に上がると、3.3%になります。
配当額は変わっていないのに、株価が上がるだけで「お得感」が薄れていく。
頭ではわかっているんですよね。
でも、実際に画面で3%台の数字を見ると「これ、買っていいのかな」と感じてしまうのが人間というものです(笑)
株価が上がって嬉しいはずなのに、なんとなく置いてけぼり感がある——。
その感覚は、ある意味正しい反応だと思います。
長期保有者には「別の景色」が見えている
ここで一つ、視点を変えてみます。
「YoC(Yield on Cost)」という考え方があります。
日本語では「取得原価利回り」と言います。今の株価ベースで計算した表面利回りではなく、
自分が実際に買ったときの値段に対して、今どれだけ配当を受け取れているかを見る指標です。
実際に僕の保有銘柄で見てみます。
INPEX(1605)
取得単価 1,583円 → 現在値 3,685円(含み益 +133%)
年間配当100円と仮定すると、取得単価ベースのYoCは約6.3%。 今の株価で計算した表面利回りは2.7%ですが、買った当時の原価ベースでは6%超の配当が届いている計算です。
JT(2914)
取得単価 3,301円 → 現在値 5,973円(含み益 +81%)
年間配当194円に対して、YoCは約5.9%。
KDDI(9433)
取得単価 2,298円 → 現在値 2,652円
含み益は他の2銘柄ほど大きくないですが、年間配当145円に対してYoCは約6.3%。
「表面利回り3%台の銘柄たち」が長期保有を経て YoC5〜6%台の資産に育っている。これが長期保有の果実の一つです。
スマホで確認するたびに、「あ、また配当の通知が来てる」と感じる瞬間があります。金額の大小じゃなくて、あの感覚が長期投資を続けるうえで意外と大きな支えになっているんですよね。
ただし、YoCだけに酔うのは危ない
ここは少し重要な話なので、しっかり書いておきます。
YoCが高いことは長期保有の証拠であり、投資の果実を実感できる視点です。
でも、「YoCが高いから、無条件に持ち続けていい」わけではありません。
「取得時より配当利回りが高いから大丈夫」という理由だけで保有継続を判断するのは少し危ういと思っています。
大事なのは「これからもその配当を出し続けられる事業かどうか」です。
YoCはあくまで過去の投資の果実を確認する視点であって、「売らなくていい理由」を自動的に与えてくれるものではないんですよね。
事業の競争優位性は保たれているか。業績の方向性はどうか。配当性向が無理なレベルになっていないか。
そこを定期的に確認することが、長期保有の前提になります。
今から買うなら、この3つの軸で見る
では実際に、今の株価水準で高配当株を新たに買う場合、何を見ればいいか。
自分が意識している軸を3つ書いておきます。
① 「なぜこんなに利回りが高いのか」を考える習慣
利回りが高い銘柄には必ず理由があります。
株価が割安だから高利回りになっているのか、それとも業績への不安や減配リスクで株価が売られているだけなのか。
5%を超えてくる利回りが出ているときほど「なぜこんなに高いんだろう」と立ち止まってみることが大事だと思っています。
利回りが高い銘柄が常に良い銘柄ではない——当たり前のことですが、高株価時代こそ意識したいポイントです。
② 「将来のYoCを仕込む感覚」で増配力を見る
今の表面利回りが3%台でも、増配が続けばYoCは育ちます。
確認するのは、累進配当方針を掲げているか(減配しない・毎年増配する方針)、配当性向にまだ余裕があるか、キャッシュフローが安定しているかあたりです。
仮に今の利回りが3%台でも、5年後に配当が1.5倍になっていれば、YoCは4.5%を超えてくる。
「今の利回り」ではなく「将来のYoCを仕込む」感覚で見ると、高株価時代でも候補銘柄が見えやすくなると思います。
③ 株価が20%下がったとき、持ち続けられる理由があるか
これが一番大事だと感じています。
事業内容をよく理解していない銘柄は、株価が下落したとき「損切りすべきか、ナンピンすべきか」の判断ができなくて、ただ恐怖と向き合うだけになってしまう。
「この会社の事業はこういう理由で当分安定している」という自分なりの根拠がある銘柄だけを持つ——それだけで、暴落時の動き方がかなり変わります。
インデックス投資との組み合わせで暴落と向き合う考え方については、こちらの記事も参考になるかもしれません。
→ インデックス投資で暴落が来たら「どうする?」サラリーマン投資家の判断軸
インデックス投資中に相場が急落したとき、積立を止めるべき?買い増しすべき?投資歴8年・資産4,800万円の会社員投資家が…
高配当株は「資産を最速で増やす道具」じゃない——でも手放せない理由
少し現実的な話をします。
インデックスで資産を最大化することを目的にするなら、高配当株だけにこだわる必要はないかもしれません。
オルカンやS&P500のような広く分散されたインデックスのほうが、長期では効率よく資産を増やしやすい場面もある。
それでも僕が高配当株を手放さない理由は、「握れるから」です。
含み益は画面の中で毎日揺れます。
数十万円上がった翌日に、また数十万円下がることもある。でも配当金は生活の中に静かに届く。口座残高のお知らせとして、証券会社からの通知として。
株価が下がっている局面でも、配当通知が届いた日の「あ、また入ってきた」という感覚——これが長期投資を続けるうえで意外と大きいんですよね。
「もう少し持っていよう」と思える理由になってくれる。
高配当株は、最短で資産を増やすための道具というより、
長く市場に居続けるための”手すり”みたいなものかなと思っています。
手すりがなければ怖くて登れない階段も、手すりがあれば一段ずつ上れる。8年続けてきた実感として、これが一番しっくりくる表現です。
インデックスと高配当株をどう使い分けるか、実際の判断プロセスについてはこちらも読んでみてください。
→ 新NISA成長投資枠に何を入れるべき?SBIラップを解約した僕がオルカン+日本高配当を選んだ理由
SBIラップを解約して戻ってきた133万円を、新NISA成長投資枠でオルカン100万円+日本高配当40万円に置き直しまし…
まとめ——「利回りで買う時代」から「増配力と握れる理由で選ぶ時代」へ
正直に言うと、「今すぐ全力で買い増しだ」とも「高株価だから高配当株はもう終わり」とも、どちらとも言い切れない宙ぶらりんなスタンスです(笑)
ただ、利回りだけで高配当株を見ていた頃と、増配力・持ち続けられる理由・YoCという視点で見るようになった今では、同じ銘柄でも見え方がかなり変わりました。
一つだけやってみてほしいことがあります。
今持っている高配当株の「表面利回り」ではなく、取得単価ベースのYoCを計算してみてください。
「こんなに育っていたのか」と思う銘柄があったなら、それがあなたの長期保有の果実です。
その感覚を大事に、次の一手を考えてみてください。
※ この記事は個人の体験・考えをもとに書いたものです。特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。
投資の判断はご自身の責任でお願いします。
このブログのタイトル「かぞくとあおぞら」に込めた想いや、投資で遠回りをしてきた僕の自己紹介を[こちら]にまとめています。
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