私はユキ。
都内でフリーランスとして働き、もうすぐ20代後半になろうとしている。ライターやWebデザインの仕事を中心になんとか生計を立てている毎日だ。
フリーランスとして一番に願うのはやっぱり収入の安定。
そのためには、時代の変化に取り残されないよう常に新しいスキルを身につけて、自分をアップデートし続けること。
そんな私にとって、最近のAIの進化は期待と同時に大きな不安の種だった。でも、あるきっかけからその見方が大きく変わったのだ。
初夏の陽射しが心地よい日、久しぶりに会う友人とのランチは話題が尽きない楽しい時間だった。
別れ際、ふと開いたLINEのグループチャットに流れてきた「ChatGPT、使ってる?」という一言。
みんなが当たり前のように「便利だよね」「最近はMidjourneyも試してる」と続ける中、私は画面を眺めたまま言葉が出なかった。
フリーランスとしてそれなりに仕事は回っていた。けれど、その裏では密かな焦りがじわじわと広がっていた矢先のことだった。
それは、漠然とした不安ではない。
「もし私の書く文章やデザインがAIに代替されてしまったら、この先の収入はどうなるんだろう」という現実的な恐怖に似た感情だった。
文章を書く。デザインする。情報を整理して届ける。そんな仕事がAIなら一瞬でできてしまう時代が来ているのだから。
誰にも聞けない、でも心の中では何度も自問していた問いだった。
AIは「敵」じゃない、私を助ける「相棒」だった
しばらくして、意を決してChatGPTを触ってみた。キーワードをいくつか投げ込むとそれっぽい文章が驚くほどスムーズに出てくる。デザインの参考イメージもMidjourneyでサクサク生成できた。
「これじゃ、本当に代替されてしまう…」
最初はそんな風に感じたのも事実だ。
けれど、何度かやり取りを続けて気づいたことがある。AIの文章には「なぜこの表現にしたのか」という背景や意図がない。読み手の心に残る温度や物語性が希薄なんだと。
同時に読んだ海外のコラムでは、AIが得意なこと・不得意なことがはっきりと書かれていた。
例えば、「AIはデータ処理や事実の羅列は得意だが、人の心の機微を捉えた共感を誘うストーリーや倫理的な判断は難しい」という内容だった。
それを知ったとき、凍り付いていた心が少しずつ溶け始め、すっと肩の力が抜けた。「そうだ、私がやるべきことはそこだったんだ」
そう気づいてからはAIを「敵」ではなく「道具」、いや、まるで「相棒」のように捉える練習を始めた。
意識的にAIと対話する時間を設け、その得意なことと不得意なことを見極めることに時間を費やすようになった。
AIと私で「最強」になる!新しい働き方で見つけた光
たとえば、記事の構成案を考えるとき。
これまではノートにあれこれ書き出していたのだが、今はChatGPTに「この記事の読者は誰?」「何に悩んでいる?」と問いかけてみる。
出てきた回答はそのままでは使わない。
けれど、そこから新しい視点や切り口が生まれる。
それをもとに自分の言葉で文章を紡いでいくと、不思議と以前よりも芯のある記事が書けるようになった。
Prompt(問いかけ方)次第でAIの答えはまるで変わる。これはちょっとしたゲームのようで面白い。プロンプト・エンジニアリングと呼ばれるスキルの価値が高まっているのも今はよくわかる。
「AIに使われる」のではなく、「AIをうまく使う」。
その意識が持てるだけで仕事への不安はぐっと減っていった。
クライアントの声が教えてくれた「人間らしさ」という価値
一方で、AIを使えば使うほど人間らしいスキルの大切さも実感する。
ある案件でAIに生成させた文章をそのまま提出してみたことがある。
結果は…あまり良くなかった。クライアントから返ってきたのは「情報はまとまっているけれど、読んでいて心が動かない」という言葉だった。
この一言が私の仕事の質を大きく変えるきっかけとなった。そこから私は自分なりの視点や感情を入れることを意識するようになった。
ちょっとした比喩や実体験に基づく一言があるだけで、文章の手触りは大きく変わる。これはAIにはまだ難しい領域だ。
そして、共感や信頼を生むのは結局のところ人の力なのだと、改めて心に刻んだんだ。
これから身につけたい「本当に必要なスキル」とは?
そんな経験を通じて、今の時代に必要だと感じるスキルはこうだ。
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AIを理解し、上手に使いこなすリテラシー
AIを恐れるのではなく、その可能性を知り、積極的に活用する姿勢。 -
問いの設計力(Promptエンジニアリング)
AIから最高の答えを引き出すための的確な「問い」を立てる力。 -
共感や倫理的判断を含むヒューマンスキル
人の心を動かすストーリーテリング、そして信頼関係を築くための人間力。 -
柔軟性と学び続ける姿勢
技術も働き方も変化が激しい今、完璧を目指すより変化に馴染む柔らかさ。
特に最後の「学び続ける姿勢」はこれからますます重要になるだろう。
新しいツールや情報にアンテナを張り、常にアップデートしていく。これは、フリーランスという働き方を選んだ私たちだからこそ磨ける強みでもある。
AIの波を乗りこなし、私だけの「好き」を育む
AIという波に揺られながらも、私はいま、以前よりもっと仕事が楽しいと感じている。なぜなら、自分にしか書けないものがあると少しずつ実感できているから。
情報を整理するだけならAIで十分。
でも、その情報に血を通わせ、誰かの心に届けるのは、まだまだ人の仕事だと思う。
だからこれからも私はAIを使いこなしながら、人の心に響くものを作り続けたい。焦ることはない。
「本当に必要なスキル」はきっと日々の実践の中で、私たち自身の「好き」や「得意」と結びつきながら少しずつ育んでいけるはずだから。
もし今、AIの進化に不安を感じているフリーランスの仲間がいたら伝えたいことがある。
まずは小さな一歩を踏み出してみてほしい。
AIに触れてみる、自分なりの問いを投げてみる。そこから世界は案外面白く広がっていくのだから。
AIはきっと、あなたの新しい「相棒」になってくれるはずだ。
※ 本記事は6/11に投稿した記事ですが、誤って削除したため復元しました。