ブラウザに表示された「合格おめでとうございます」の文字。
その結果に、娘はもちろん、家族みんなが喜びに包まれました。
2026年の冬、長かった娘の受験生活もやっと終わりを迎えそうです。都内私立高校の特進Sクラス、しかも入学金免除の特待生として。
本人が目指していた場所に届いたことへの安堵と誇らしさを感じながら、その夜は家族みんなで喜びを分かち合いました。
でも、正直に白状すると、親としては公立高校に進学してほしいという思いが強くあったんです。
将来の資産形成のシミュレーションを考えれば、固定費(学費)を抑えられるメリットは計り知れないから。
志望校を決めるために、娘と一緒に何校も公立高校の見学に足を運びました。
しかし、どの学校を訪れても娘の表情はどこか晴れません。
結局、彼女が心に描く「自分が輝ける場所」というイメージに、最後までフィットする公立高校を見つけることができなかったんです。
合格発表の夜、家族が寝静まった後に僕はパソコンに向かっていました。
資産管理アプリの最新データとわが家のライフプラン・シミュレーションを確認するために。
投資を続けてきた身としては、どうしてもこれから増えてくる「支出」が気になってしまう。
授業料無償化という制度があるとはいえ、実際にはどれくらいお金がかかるのか。今の資産形成ペースは維持できるのか。
そんなことを考えながら、深夜までダッシュボードの数字とにらめっこしていました。
わが家には現在、私立大学に通う長男とこの春から私立高校に進学する長女がいます。
教育費のピークを迎えているわけですが、同時に資産形成も大切にしたい。
この二つをどうバランスさせるか。
今回はそんな悩みを抱える親として、リアルな数字と一緒に考えたことをお話しします。
この記事でわかること
- 「高校無償化」の裏にある、公立と私立のリアルな費用差(実質約2倍)の正体
- 教育費のピークを迎えながら、新NISAでの資産形成を「止めずに減速させる」現実的な両立術
- 投資家パパが葛藤した「教育費vs複利の機会損失」のシミュレーションと、最終的な判断基準
- 2026年最新の「生涯教育コスト」データをもとにしたわが家の現在地とこれからの備え
- 資産額という数字以上に大切な「今しか買えない未来への投資」という前向きなマインドセット
公立高校は「安い」と思っていませんか?
まず、長男が通った公立高校の話から。
多くの方が「公立なら費用はほとんどかからない」と思われているかもしれません。
確かに授業料は安いのですが、入学時には意外とまとまったお金が必要になります。
公立高校 入学前後にかかる初期費用
公立だからといって油断していると、入学前後でキャッシュが一気に減ってしまう。
これが最初の気づきでした。
特に最近は学習用端末の購入が必須となるなど、以前にはなかった出費も増えています。
ご参考までに、高校1年生(2021年)から3年生(2023年)までにかかった年間の教育費を”ざっくり”共有します。
(参考)教育関連費用(2021年〜2023年)
※3年生では4月に長女の中学校進学も重なったこと、大学受験に向けて塾の費用が上がったため、教育費が大幅に増加しています。
私立特進クラス、3年間でどれくらいかかる?
さて、娘が進学する私立高校です。
こちらは特待生として入学金25万円が免除されるという恵まれた条件。それでも、3年間トータルで見るとそれなりの金額になります。
私立高校 3年間の費用シミュレーション
実質負担額の予測
東京都の授業料軽減助成制度を活用すれば、授業料部分はかなり軽減されます。
それを加味すると、実質的な自己負担は3年間で 120万円 〜 150万円ほどになると見込んでいます。
公立が3年間で50万〜80万円程度だったことを考えると、私立は約2倍。
差額の「約100万円」をどう考えるか。
これが投資家としての大きな葛藤でした。
(参考)統計データに基づくベースライン
文部科学省の「子供の学習費調査」によると、塾代などの学校外費用を除いた「学校教育費(純粋に学校に支払うお金)」の3年間合計は以下のようになっています。
※この時点ですでに「約2.2倍」の差があります。
「実質無償化」を反映したシミュレーション
ここからが現在のリアルな数字です。2024年度から東京都(および国)の制度が拡充され、所得制限なしで授業料が支援されるようになりました。
公立高校の場合 実質 50〜80万円
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授業料
年間約12万円ですが、現在は全世帯で実質無償。 -
残る費用
入学金、制服、教材、修学旅行積立、ICT端末代など。 -
根拠
先ほどの公立総額105万円から、授業料3年分(約36万円)を引くと、約69万円となります。
学校や地域差を考慮すると「50〜80万円」が実質的な自己負担額のボリュームゾーンです。
私立高校(娘のケース) 実質 120〜150万円
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授業料
東京都の助成金(最大年48.4〜49万円程度)により、平均的な私立の授業料はカバーされます。 -
残る費用
施設維持費、積立金、制服(私立は高め)、ICT関連、そして特待生で免除されない「施設拡充費」など。 -
根拠
私立の総額約230〜269万円から、授業料3年分(約145万円)を引くと 約85〜124万円。
さらに、「特進クラス」や「施設が充実した私立」では諸会費が公立より高くなるため、実質負担は120〜150万円程度に落ち着きます。
結論 なぜ「約2倍」と言えるのか
計算をまとめると、以下のようになります。
公立(下限50万円・上限80万円) vs 私立(下限120万円・上限150万円)
50万円 × 2.4 = 120万円
80万円 × 1.9 = 152万円
「授業料がタダになっても、私立は施設費や諸会費のベースが高いため、最終的なアウト・オブ・ポケットで見ると公立の約2倍はかかる」
というのが最新の制度を反映した現実的な着地点です。
投資家目線で見た時の葛藤
正直に言います。
この100万円を新NISAで運用し続けたら、将来どうなるか最新のシミュレーターで試算しました。
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15年後の期待値
年利5%で運用すると約208万円に。 -
機会損失
毎月の積立額を5万円減らせば、20年後には相当な資産差が生まれます。
複利の力を知っている身としてはこの数字が頭をよぎらないわけがありません。
でも、僕の気持ちは「教育を最優先にしよう」という結論に至りました。
なぜ教育にお金をかける決断をしたのか
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理由1 子どもの可能性への投資
金融資産への投資は大切ですが、子どもの学びや経験から得られるリターンはさらに大きいと感じました。
良い環境や切磋琢磨できる友人との出会いは、将来の年収や人生の豊かさに数倍になって返ってくるはずです。 -
理由2 今しかない時間の価値
投資は5年後でも再開できます。でも、15歳という多感な時期の環境は今しか選べません。
娘の「ここで学びたい」という意欲に応えられるのは、今この瞬間だけなのです。 -
理由3 親としての納得感
資産が増えても「あの時、もっと教育に手を尽くせばよかった」と後悔するのは辛すぎます。
全力で応援しているという実感があれば、株価が不安定な時でも「自分は未来に投資しているんだ」と精神的に安定していられます。
両立させるための現実的な戦略
教育費にお金を回しつつ、投資も継続するための「わが家の最適解」がこちらです。
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投資は「停止」じゃなく「減速」
支出計画を踏まえて、新NISAの積立額は一時的に減らしますがゼロにはしません(現状は積み立て投資枠に月10万円を積み立てています)
月1万円でも継続することで複利のバトンを繋ぎ、投資習慣を維持します。 -
教育費専用の「バッファ」を確保
給与から自動で教育費口座へ振り分け。
修学旅行などの大きな出費に備え、ボーナスからも一定割合をプールしておきます。 -
キャッシュポジションの調整
助成金は「後から還付」されるパターンが多いため、タイムラグを考慮。
生活費3ヶ月分 + 教育用予備費50万円を現金で保持し、急な出費にも動じない体制を整えます。
資産形成より大切なもの
毎日スマホでマーケットをチェックし、資産額の増減に一喜一憂する。
投資をしている人なら日常の光景かもしれません。
でも、本当に大切なのは画面の中の数字ではなく、
夕食の時に「今日こんなことがあってね」と嬉しそうに話す娘の笑顔やテスト前に必死に机に向かう後ろ姿だと思うんです。
この先、新NISAの積立設定の下方修正が必要になるかもしれません。
でもこれは「出費」ではなく、
「最も期待値の高い未来への投資」だと今は心から信じています。
資産はまた増やせますが、子どもと過ごす今この時間は二度と戻ってきません。
この記事が、教育費と投資のバランスで悩む皆さんの参考に少しでもなれば嬉しいです。
子どもたちの輝く未来のために、一緒に頑張っていきましょう!
(参考データ)2026年版 大学卒業までの「生涯コスト」比較
最新の「日本における子育て・教育資金調査(2025年版)」によると、インフレの影響で教育費は「聖域」として高止まりしています。
では、幼稚園から大学卒業まで、実際にどれくらいのコストがかかるのか。進路別の6つのパターンを整理しました。
【進路別】20年間の生涯コスト試算表
(単位:万円 / 養育費・学費の合計)
※「給付・無償化控除」は、拡充された児童手当(18歳まで全世帯支給)のみを計上しています。
これを見ると、最も経済的なコースでも約3,000万円。
私立医大や一人暮らしを選択すれば、住宅購入を上回る7,000万円超の投資になります。
わが家は現在、「パターンB」に近い経路を辿っています。
