「S&P500が持ち直してきたけどこのまま積立を続けていいの…?」
「米国の関税政策ってこれからどう影響するんだろう…?」
2025年5月現在、株式市場は4月の調整局面からやや回復の兆しを見せています。S&P500は8営業日連続で上昇し、5600台を回復する場面もありました。
しかし、その一方で世界経済の成長見通しは下方修正され、米国経済はマイナス成長に転落。
最大の懸念材料である米国の関税政策を巡る不確実性は依然として高く、先行きは依然として不透明です。
この記事では、そんな最新状況を踏まえてS&P500や全世界株式(オルカン)への積立投資について考えていきます。
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S&P500とオルカンの現状は?
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市場を取り巻く経済・金融・地政学リスク
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専門家は今後の市場をどう見ている?
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それでも積立を続けるメリット・デメリット
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過去の暴落時(リーマンショック)の積立継続効果
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なぜ今、分散投資がより大切なのか?
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【結論】結局、あなたはどう判断すべきか?
この記事が、最新の情報に基づいたあなたの投資判断の一助となれば幸いです。
S&P500 vs オルカン:それぞれの現状と特徴
基本的な特徴は変わりませんが、2025年5月上旬時点の状況を踏まえてご説明します。
【S&P500】
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現状
4月に調整局面がありましたが5月に入り反発の動きを見せ、5600台を回復。大型ハイテク企業の決算発表などが市場を支えました。 -
特徴
米国経済の底堅さ(個人消費など)と高い技術力が魅力ですが、関税政策の影響やハイテク集中リスクへの懸念は依然として残ります。
【全世界株式(オルカン)】
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現状
S&P500と同様に4月末から上昇傾向にあります。 -
特徴
グローバル分散が魅力ですが約6割を占める米国市場の動向、特に関税政策の影響を大きく受ける点は変わりません。

市場を取り巻く経済・金融・地政学リスク
先の記事から状況が変化・明確化している点を中心に解説します。
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世界経済の見通し悪化
IMFは2025年の世界成長率予測を2.8%に下方修正しました。
これは5年ぶりの3%割れ予測であり、世界的な景気減速懸念が強まっています。 -
米国経済のマイナス成長とインフレ鈍化
2025年第1四半期の米国実質GDPは前期比年率-0.3%と12四半期ぶりにマイナス成長となりました。
関税発動前の輸入急増が主な要因とされますが個人消費も減速。一方、3月のコアPCEデフレーター(インフレ指標)は前月比横ばいと大幅に鈍化しました。景気減速とインフレ鈍化が同時に進む可能性が出てきています。 -
金融政策の「ダイバージェンス(方向性の違い)」鮮明化
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FRB(米国)
5月のFOMCでは政策金利据え置きが濃厚。
インフレ鈍化は利下げ要因ですが関税政策によるインフレ再燃リスクと景気下押しリスクの両方を見極めたい意向が強いようです。
6月以降の利下げ期待は残るものの不確実性が高い状況です。 -
ECB(欧州)
利下げサイクルを継続。
3月にも利下げを実施しており、今後も景気動向次第で追加利下げの可能性があります。 -
日銀
4月末~5月頭の会合で政策金利据え置きを決定。
米国の関税政策への警戒感から経済・物価見通しを下方修正し、当面は追加利上げに慎重な姿勢を示唆しました。
この日米欧の金融政策の方向性の違いは為替変動などを通じて市場を不安定にする要因となり得ます。
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地政学リスク
最大の焦点は「米国の関税政策」
ウクライナ情勢や中東情勢も依然としてリスクですが、現在、市場が最も注目・警戒しているのは米国の関税政策です。
これが世界経済や企業業績、インフレにどう影響するのか不透明感が極めて高く、多くの専門家が景気後退リスクの高まりを指摘しています。
まとめると、市場には回復の兆しが見えるものの、根底には景気減速懸念と特に関税政策を巡る大きな不確実性が横たわっている、というのが2025年5月時点の状況と言えます。
【最新】専門家は今後の市場をどう見ている?
最新の専門家の見解にもこの不確実性が色濃く反映されています。
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慎重姿勢の強まり
年初に比べて楽観的な見方は後退しています。
関税政策の影響が見通せないため、企業業績予測の下方修正リスクが意識され「株価の上値は重い」とみる専門家が増えています。 -
AIテーマへの期待と懸念
AI関連の設備投資や生産性向上への期待は依然としてありますが、一部の関連株の過熱感や関税政策がサプライチェーンに与える影響への懸念も出てきています。 -
債券・金への注目
不確実性が高まる中、リスク分散やインフレヘッジの観点から質の高い債券(投資適格債など)や金(ゴールド)への注目が再び高まる可能性があります。 -
個別選択の重要性
市場全体が一様に上がる状況ではないため、国や地域、セクター、個別企業を慎重に選別することの重要性が一層増しています。
それでも積立を続けるメリット・デメリット
このような状況下でもドルコスト平均法による積立投資の基本的なメリット・デメリットは変わりません。
メリット(なぜ今なお有効か)
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タイミングを計る難しさの回避
これだけ不確実性が高いといつが買い時・売り時か判断するのは至難の業。積立なら悩む必要がありません。 -
感情に左右されない規律
不安なニュースが多い時こそパニック売りなどの衝動的な行動を避け、淡々と投資を続ける仕組みが役立ちます。 -
下落局面での買い増し効果
もし今後関税問題などで市場が大きく調整する局面があれば、積立を続けることで安く多く買うチャンスになります。(ただし、回復が前提ですが。。。) -
長期的な複利効果
不確実な時期を乗り越えて市場に居続けることが長期的な複利効果を得る鍵です。
デメリット・注意点
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機会損失: 市場が回復・上昇し続けるなら一括投資に劣後します。
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元本保証ではない: 下落が長期化すれば損失は避けられません。
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集中リスクはそのまま: S&P500やオルカン自体が持つ集中リスク(米国、ハイテクなど)は残ります。
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大きな政策変更リスク: 関税のような大きな政策変更は、市場全体を急変させる可能性があります。積立投資でも、投資対象自体の価値が大きく毀損するリスクは考慮する必要があります。
【不変の教訓】過去の暴落時(リーマンショック)の積立継続効果
リーマンショック時のシミュレーションが示すように市場が大きく下落した局面でも積立投資を継続した方が停止した場合よりも資産の回復が早かったという歴史的な教訓は今も有効な参考情報です。
重要なのはパニックにならず、長期的な視点で規律ある投資を続けることです。
【重要度増】なぜ今、分散投資がより大切なのか?
2025年5月現在の状況を踏まえると分散投資の重要性は以前にも増して高まっています。
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集中リスクの顕在化
S&P500のハイテク集中やオルカンにおける米国比率の高さは、特定のセクターや国の政策(特に関税)の影響を受けやすい構造的な弱点です。 -
株式と債券の相関
依然として株と債券が同時に値下がりするリスクは残っており、伝統的な分散効果が効きにくい場面も想定されます。 -
高まる不確実性
関税、金融政策、地政学リスクなど、複数のリスク要因が複雑に絡み合っており、どの資産が安全かを見極めるのが困難になっています。
このような状況下ではS&P500やオルカンへの積立を「コア(中心)」としつつ、異なる値動きが期待できる他の資産クラスを「サテライト(衛星)」として組み合わせる戦略が有効です。
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債券
インフレ連動債(TIPS)、投資適格債 -
貴金属
金(ゴールド) -
コモディティ
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その他
日本株、米国以外の先進国株、新興国株、小型株、不動産(REITs)など
これらの資産を適切に組み合わせることでポートフォリオ全体の変動リスクを抑え、より安定的なリターンを目指すことが期待できます。
【結論】結局、あなたはどう判断すべきか?
回復の兆しと大きな不確実性が混在する2025年5月。
積立投資について最終的にどう判断すべきか改めて3つのステップで考えてみましょう。
ステップ1:自分の状況を再確認する
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リスク許容度、投資期間、目標額は変わりありませんか? 最近の市場変動で、ご自身の考え方に変化はありましたか?
ステップ2:戦略を再検討する
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コアとなる積立
S&P500やオルカンへの積立は継続しますか?
インデックスの比率を見直しますか? -
積立額
現在の経済状況やご自身の収入見通しを踏まえ積立額は適切ですか?
無理のない範囲になっていますか? -
分散投資
現在のポートフォリオの集中リスクは許容範囲内ですか?
債券や金など他の資産クラスへの分散を強化する必要はありませんか? 特に、関税政策などの大きな変化に備え、ポートフォリオ全体のバランスを見直すことが重要です。 -
新規資金の投入
もしボーナスなどまとまった資金がある場合、一括投資はリスクが高い局面かもしれません。
時間分散(ドルコスト平均法)を検討する価値は高いでしょう。
ステップ3:長期視点で行動し、定期的に見直す
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戦略を決めたら短期的な市場の動きに惑わされず、長期的な視点で継続します。
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ただし、状況の変化(特に大きな政策変更など)に応じて、定期的に戦略を見直す柔軟性も持ちましょう。
年に1回程度の見直しに加え、大きなイベントがあった場合はその都度影響を考えることが大切です。 -
不安な場合は信頼できる専門家への相談も有効です。
【まとめ】不確実な時代を乗り切るために
2025年5月現在、積立投資を取り巻く環境は複雑さを増しています。
しかし、ドルコスト平均法の基本的な有効性や長期・分散投資の重要性は変わりません。
最新の情報を踏まえ、ご自身の状況と照らし合わせながらポートフォリオ全体のリスク管理を意識し柔軟に見直しを行うこと。それがこの不確実な時代を乗り切り、長期的な資産形成を成功させる鍵となるでしょう。
(免責事項) 本記事は、投資に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資の最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。必要に応じて、資格を持つファイナンシャル・アドバイザーにご相談ください。