資産を増やすだけでは満たされない——家族との思い出が「もうひとつの積立」になる話

子どもが一緒に旅行してくれる時間は思っていたより短い。
そのことに気づいたとき、僕の「お金の使い方」は少し変わりました。

毎月コツコツ積立を続けて、家計の無駄を削って将来の安心を育てていく。

それはそれで正しいし、続けていくつもりです。
ただ、「貯めることに一生懸命になりすぎて、今の自分や大切な人の時間を後回しにしていないか」——そこだけは、時々立ち止まって確認したほうがいいなと思うようになりました。

この記事では、そんなことを改めて考えさせてくれた出来事と「お金を貯める意味」を再定義するきっかけになった本の話をしています。

この記事でわかること

  • 「貯める」と「使う」のどちらに偏りすぎても起きること
  • 家族との思い出が「もうひとつの資産」になるという
  • 節約・積立を続けながら、今の時間も大切にするバランスの取り方
  • 『Die With Zero』が教えてくれる「お金の使いどき」の本質

整えた部屋の先に何を置くか

YouTubeを眺めていると、最近やたらとミニマリスト動画がおすすめに出てきます。
「お金が貯まる部屋の作り方」「物を手放したら生活が変わった話」——そういうサムネイルを見ると、なんとなく再生してしまう。

すっきりした空間に必要なものだけ。節約を積み上げながら資産を育てていく。

学べることは多いし、引き出しを開けて「これ処分できるかな」と考えたりもする。

でも、ある夜から「整えた部屋の先に何を置けばいいんだろう」と思うようになりました。

部屋を整えることも、お金を積み上げることも、どちらも大切な行為です。
ただ、手段と目的が入れ替わってしまうと、何のためにやっているのかがわからなくなってくる。

「資産額が増えること」それ自体が目標になってしまったとき、何か大事なものを削っていないか——そこが気になり始めていた頃、ちょうど家族の中でひとつの出来事がありました。

子どもが「一緒に行こうよ」と言ってくれる期間のこと

我が家には大学生の長男と、高校生になったばかりの長女がいます。

ついこの間まで、「パパ見て」「どこ行く?」と引っ張ってくれていたはずが、今はそれぞれのスマホを眺め、それぞれの友達との予定を持つようになりました。

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家族4人でスケジュールを合わせて出かけること——これが年々、難しくなってきています。

「その日は部活がある」
「テスト前だから」
「友達と約束してる」

成長の証だし、本当に嬉しいことなんです。でも正直、少しだけ寂しい。

子どもが「家族旅行、行こうよ」と言ってくれる時間は、思っていたより短かった。

これが8年間投資を続けてきた今も、「お金より大事なもの」として僕の中に居座っています。

大切な人と過ごす時間があとから「資産」になる

妻の母が亡くなったとき、病院の帰り道に妻とふたりで話した言葉が今も残っています。

「あのとき旅行に行っておいてよかった」
「あのとき集まって写真を撮っておいてよかった」
「あの夜みんなで笑っておいてよかった」

一緒に食べたごはん。
移動中の他愛ない会話。
旅行先でのちょっとした失敗。
集合写真の中の笑顔。

立派なことは何もないけれど、そういう積み重ねが、人がいなくなったあとにじんわりと残ってくる。

「楽しい思い出は、作れるときに作っておいたほうがいい」——ありきたりな言葉に聞こえるかもしれないけれど、そのとき初めて体に染み込むように理解できた気がしました。

資産は証券口座の数字として残ります。
でも思い出は、家族の記憶の中に残る。どちらも「積立」なんですよね。ただ、後者は後から取り戻すことができない。

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そういう意味では、思い出こそが「時間にしか買えない資産」かもしれない、と今は思っています。

『Die With Zero』が教えてくれたこと

ちょうどその頃、以前読んだ『Die With Zero』という本を思い出しました。

「資産ゼロで死ね」という刺激的なタイトルですが、内容はもっとシンプルです。

お金は使って初めて価値になる。今しかできない体験にお金を変えることが、豊かな人生の中身をつくる——そういう本です。

読んだ当時は「なるほど」と思いながらも、どこか他人事でした。

でも、妻の家族との時間を過ごしながら、「あのとき一緒に行けてよかった」という言葉を聞いていたら——ああ、これのことだったんだと気づいた。

旅行に行くこと、おいしいごはんを食べに行くこと、家族でどこかに出かけること。

資産という観点で見れば、お金が減る行為です。節約の観点から言えば、削れる支出かもしれない。

でも、それは家族の中に「思い出」という形で残ります。歳を重ねるごとに懐かしさという配当を運んでくれる資産として。


📝 長期投資を続けながら「お金との距離感」をどう保つか、もう少し深い話はこちらでも書いています。
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「コスパが悪いお金の使い方」の中に人生のきらめきがある

節約を否定したいわけじゃないし、ミニマリストの暮らし方を批判したいわけでもありません。

無駄な固定費を削ること、毎月の積立を守ること——これは今も続けているし、これからも変えるつもりはない。
8年間、そうやって積み上げてきたものが今の資産につながっているのも事実としてあります。

ただ一方で、「コスパが悪いお金の使い方」の中に人生のきらめきがあるとも思っています。

日帰りで十分なのに一泊した温泉。
スーパーのお惣菜で済ませられるのに行ったちょっといいお寿司。
わざわざ遠くの花火大会まで足を運んで、くたくたになって帰った夏の夜。

数字には残らない。効率もよくない。
でも、「あのとき使ったお金は消えてなくなったわけじゃなかった」と今ならわかります。

家族の記憶の中に、確かな形で残っていたんですよね。

節約する理由をもう一度だけ確認してみる

整理すると、僕の中では今こういう理解になっています。

節約するのは、ただ我慢するためじゃない。
本当に使いたいところに、気持ちよく使える自分でいるため。

貯める力は、使わないためだけにあるんじゃない。大切なものに迷わず使えるようにするためにある。

どうでもいい支出を削るのは、人生から楽しみを取り除くためではなく、大切な支出にちゃんとお金を回すためです。
当たり前のことのように聞こえるけれど、毎月の家計管理に追われていると、このことをつい忘れそうになる。

「未来の安心のために今を犠牲にしすぎない。今の喜びのために未来を不安にさせすぎない」——このバランスは、言葉にするのは簡単でも、実際に保ち続けるのは結構難しいんですよね。

資産形成の途中にいる間は、積立を守ることが最優先です。
でも「いつか使おう」「余裕ができたら」と先送りを続けていると、今しか味わえない体験を取りこぼすことになる。

それが『Die With Zero』の核心だと、僕は受け取っています。


📝 積立の方針や家計管理で迷いが出てきたとき、立ち止まって読んでほしい記事はこちら。
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整えた部屋で次の旅の計画を立てる

先週の夜、夕飯のあとに家族へ聞いてみました。

「どこか行きたいところある?」

息子は少し考えてから「北海道、行ってみたい」と言いました。娘はスマホを置いて「温泉がいいな」と。
妻が笑いながら「函館はどう、温泉もあるよ」と言い出して、気がついたら4人でスマホを並べてホテルを調べていました。

まだ日程も決まっていないし、実現するかどうかもわからない。
でも、そのやりとりそのものが、もう少し思い出になった気がします。

資産を積み上げながら、思い出も積み上げていく。整えた部屋の先に、次の家族の時間を置いていく。

そのバランスを、これからも大切にしていきたいと思っています。

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まとめ

この記事で書いてきたことを、最後に整理します。

  • 「貯める」と「使う」は対立しない。節約は「大切なところに使うため」の準備
  • 家族との思い出は、証券口座には残らないけれど「時間にしか買えない資産」として残る
  • 子どもが一緒に旅行してくれる時間には、限りがある
  • 『Die With Zero』の核心は「お金は使って初めて価値になる」こと
  • 未来の安心と今の喜び、どちらか一方だけでは人生のバランスが崩れる

毎月の積立を続けながら、家族との時間にも少し意識を向ける。その両方を大事にできる自分でいたいとあらためて思います。


このブログのタイトル「かぞくとあおぞら」に込めた想いや、投資で遠回りをしてきた僕の自己紹介を[こちら]にまとめています。
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タイトルの「かぞくとあおぞら」は、青空の下で家族と穏やかに暮らす姿を思い描いてつけました。もともと写真が好きで、散歩や旅…

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『かぞくとあおぞら』について

はじめまして、コウです! 妻と子供2人(お兄ちゃん、妹)を家族にもつ、普通のIT系エンジニアです。
ブログのタイトル「かぞくとあおぞら」には、青空の下で家族が笑って暮らす日々──そんな穏やかな未来への願いを込めました。 でも現実は、仕事やお金、将来のことなど、不安がまったくない家庭なんてほとんどありませんよね。
僕自身も、日々の生活の中で迷ったり、焦ったりしながら、家族のためにできることを少しずつ模索しています。
このブログでは、そんな同じように「前を向いて歩いているパパ・ママ」に寄り添いながら、自分が経験したり身につけた

・暮らしに役立つ知識
・お金・投資・副業のヒント
・日々の小さな気づきや楽しみ

を綴っていきます。
まだまだ小さなブログですが、読んでくださった方に
「なんだか少し元気になった」 「ちょっとやってみようかな」
そう思ってもらえるような場所に育てていきたいと思っています。

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