2026年5月上旬、GW中に仕事を休みながらスマホを見ていた人は少なくないと思います。
でも7日の朝、スマホを開いて「え、これ本物?」と画面を二度見した人も多かったんじゃないでしょうか。
日経平均が1日で3,320円上昇。過去最大の上げ幅、史上初の終値63,000円台。ニュースやXのタイムラインが一瞬騒然となった日でした。
ただ、そんな日にも「自分のポートフォリオはそんなに動いてない…」と感じた人がいたとしたら、それは感覚がおかしいわけじゃないんです。今週の相場には、ちゃんとそういう構造がありました。
この記事でわかること
- 2025年5月4日〜8日の週に、日経平均が過去最大の上げ幅を記録した理由
- AMD決算・原油急落・中東情勢の3つが同時に動いたとき、相場に何が起きたか
- 「日経が大幅高なのに自分の銘柄が動かない」という違和感の正体
- インデックス投資と個別株を持つ投資家にとって、この週が意味するもの
- 来週以降に注目すべきポイント(NVIDIA決算・イラン情勢・国内製造業決算)
GW明けの5月7日、スマホを見て「えっ」てなった
連休中は家族との時間を過ごしていて、相場のことはあまり気にしていなかったという人も多いと思います。僕自身もそうでした。
先物が動いているのはなんとなく見えていたんですが、まさか終値でここまでいくとは。
5月7日、日経平均の終値は62,833円。前日比で+3,320円、上昇率は+5.58%。
この数字が「過去最大の上げ幅」というのは、「令和になってから最大」とかそういうレベルじゃありません。日経平均の歴史を通じて最大という意味です。売買代金も10兆8,448億円を記録しました。
ただ正直なことを言うと、喜び方が難しい週でもありました。
僕のポートフォリオには海運株(日本郵船・商船三井)も入っていて、今週の動きはそれほどシンプルじゃなかったからです。詳しくは後で触れますが、「日経が上がった=自分の資産が増えた」と単純に喜べない場面というのは、個別株を持つ投資家にはたしかにあります。
なにが起きていたのか、順を追って整理してみます。
3つのことが同時に動いた——今週の相場を理解する鍵
今週の相場を動かしたのは、大きく3つの出来事でした。
① AMDがAI相場の「次のステージ」を証明した
5月6日(日本時間)、半導体メーカーAMDの決算が発表されました。売上高は前年同期比で38%増。なかでもデータセンター部門は57%増という数字を叩き出しました。
「AIはコストが膨らんでいるだけなんじゃないか」という疑念が、特に4月以降ちらついていた時期でした。でもAMDはここで「AIで実際に稼いでいる」という証拠を数字で示してきた。市場がこれに飛びついたのも不思議ではありません。決算発表後の時間外取引でAMD株は一時19%近く急騰し、半導体セクター全体にリスクオンムードが広がりました。
② 中東情勢の「出口」が見え始めた
5月5日、ルビオ米国務長官が「壮絶な怒り作戦は終了した」と宣言しました。米・イスラエルによるイランへの軍事作戦が始まってから66日目のことです。
さらにその後、「米国がパキスタンを仲介者として戦闘終結に向けた覚書を送った」「イランが数日以内に回答する」という報道が続きました。これを受けて、原油価格が急落。WTI原油は100ドル台から91ドル台まで下落しました。
原油が下がるということは、エネルギーコストが下がり、インフレ懸念が和らぐということです。「これ以上利上げは必要ないかもしれない」という空気が市場に広がり、米国債の金利も落ち着きを見せました。
③ 円安が一旦落ち着いた
前週(4/29〜30)に160円を突破したドル円は、5兆円規模ともされる為替介入を経て155円台まで急落していました。今週はその後の落ち着きが続き、156円台中心の推移に。
「良いことが重なる」と市場はその足し算ではなく掛け算で動く
今週のNY市場では5月7日に史上最高値更新、日本市場では前述の通り終値62,833円を記録しました。
3つの材料が全部同じ方向を向いたとき、市場はそれぞれの足し算ではなく、掛け算に近い形で反応することがあります。
AMD決算だけなら「半導体株は上がったね」で終わります。中東情勢の緩和期待だけなら「少し原油が下がったね」で終わります。でもこれが同じタイミングに重なった。
さらに円安の一服が加わった。すると投資家心理は「全部悪い要因が消えた」方向に一気に傾き、あの急騰になったんだと思います。
逆に言うと、悪い材料が重なるときも同じことが起きます。
4月20日前後の下落局面で「インデックスは下がっているのに、なんか6割の銘柄が下がっている感じがする」と感じた方もいたと思いますが、あれも同じ構造です。
良いことが一部に集中すると、「平均は上がっていても実態は偏っている」という現象が生まれます。
「日経が過去最大の上げ幅」なのに自分の銘柄は?
ここが今週、多くの人が感じたであろう違和感だと思います。
5月7日の上昇を引っ張ったのは、ソフトバンクグループ(+18.44%)をはじめとするAI・半導体関連銘柄でした。キオクシアも大幅高。指数を大きく動かしたのは、この「AI祭り」に乗れた銘柄群だったわけです。
一方でうちの海運株は、正直複雑な動きでした。
原油が急落したということは、ホルムズ海峡の通航が再開されるかもしれない——という期待が出てきます。でも「再開期待=荷動き増」の一方で、「原油価格が下がる=タンカー運賃に影響する」という見方もある。
同じ原油急落でも、業種によって受け取り方が全然違うんです。
インデックス(オルカン・S&P500)の評価額はよく上がっていました。でも同じポートフォリオの中で全然違う反応をしている、というのが今週の実感でした。
「日経が過去最大の上昇を記録しました」というニュースを見て、自分のポートフォリオを確認したときに感じる温度差——それは、指数という「平均値」の正直な姿です。平均値が上がっていても、その中身は偏っているかもしれない。
インデックスだけで積み立てている人には今週の上昇はそのまま恩恵だったでしょうが、個別株を織り交ぜているポートフォリオでは、銘柄の選択によって体感がずいぶん違う週だったはずです。
でも、僕はいつも通り
GW中も、3,000円上がった7日も、翌日の反落も僕は何もアクションをとっていません。
積立の設定が粛々と動いていただけです。
3,000円上がれば翌日に利益確定が出るのは当然の話で、8日のやや軟調な動きも「急騰の翌日としては普通」という感じでした。
週を通して見ると、日経平均は5月1日の終値(59,513円)から5月8日には62,700円程度まで上昇しており、週間の上げ幅はじつに3,000円近くになります。
1日の値動きに一喜一憂しがちですが、週次・月次で眺めたとき、今週は「過去最大の上昇幅を記録した週」として刻まれます。
ただ同時に、今週の急騰は「全部解決した」からではなく、「良い材料が重なった期待で動いた」ものでもあります。
来週以降、パパ投資家として見ておきたいこと
① 米・イラン協議——原油急落は「期待」で動いた段階
ルビオ長官の「作戦終了」宣言は、和平合意を意味するわけではありません。ホルムズ海峡の通航はまだ正常化していませんし、イランは「米側の要求は非現実的」と表明する場面もありました。
来週、イランが米国の覚書を受け入れるかどうかによって、原油が再び100ドルを目指す展開も十分ありえます。海運株を持っている方は引き続き目が離せないポイントです。
② NVIDIAの決算(5月20日予定)——AI相場の本番
AMDが「予告編」なら、5月20日のNVIDIA決算が「本番」です。AIインフラ需要の中心として市場の注目が最も集まる決算です。AMDがデータセンター部門57%増を叩き出した後で、NVIDIAがどんな数字を出すか——という比較の目線でも見られるはずです。
FANG+やナスダック100を積み立てている方は、特に気にかけておく価値があります。
③ 国内決算シーズン——製造業に出てきた「三重苦」
5月8日にはトヨタが本決算を発表し、純利益は前年比22%減でした。ホンダは営業赤字。円高・原油高・中東サプライチェーン断絶の「三重苦」が製造業の決算に出始めています。
来週はこれが広がるか、それとも「悪材料出尽くし」になるか。製造業銘柄を多く持つ方には目が離せない週になりそうです。
④ ドル円——156円台を維持できるか
160円突破→介入→156円台というプロセスが一巡した後、市場が次に試してくる方向はどちらか。構造的な円安要因(日米金利差・貿易赤字)は何も変わっていないので、介入の効果がどこまで続くかが焦点です。
まとめ——「期待が重なった瞬間、市場は先に動く」
今週は正直、GW明けに「えっ」となった週でした。あの日の「二度見感」は、相場に関わる人なら共有できる感覚だと思います。
ただ冷静に振り返ると、今週の急騰は「全部明らかになってから動いた」わけじゃない。「期待が重なった瞬間に先行して動いた」ものです。中東情勢はまだ「終わりかけかもしれない」段階で、AI相場もNVIDIAの決算が出るまでは「途中経過」です。
なのに日経が史上最大の上げ幅を出した。
市場ってそういうものなんですよね。全部が明らかになってから動くんじゃなくて、期待が積み重なった瞬間に先走る。それが面白さでもあり、怖さでもあります。
この週に自分がとったアクションはゼロでした。積立が粛々と動いていただけ。でもあとから振り返ったとき、「あそこが転換点だった」と気づく日が来るかもしれない。
今それを判断しようとするのは、たぶん意味のないことだと思っています。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資の判断はご自身の責任でお願いします。
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